HISTORY 2022.04.17
脚本の三谷幸喜さんが「これが原作のつもりで書いている」と話されている『吾妻鏡』。この史書には、治承4年(1180)の「以仁王の乱」をはじまりとする鎌倉幕府の歴史が記されています。第15回で描かれた主なエピソードをご紹介します。
昨年の冬、上総広常の事件があり、源頼朝の暮らす大倉御所がけがれてしまったと記されています。ちなみに『愚管抄ぐかんしょう』によると、12月22日、広常は梶原景時の不意打ちにより誅殺されたそうです。
上総広常は生前、上総国一宮(現在の玉前たまさき神社)に甲よろい一領を奉納していました。甲の前胴と後胴を結ぶ紐ひもには、1通の祈願書が結びつけられていたそうです。
上総広常の祈願書には、3か年の間に・神田20町を寄進する事・先例に沿って社殿を造営する事・一万回矢を射る流鏑馬やぶさめを挙行する事という願が立てられていました。これは、源頼朝の祈願の成就と東国の泰平を願ってのものでした。
上総広常の祈願書のことを知った源頼朝は、広常を誅殺したことを後悔したようです。
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