紀行

第39回

「静岡県熱海市/神奈川県鎌倉市」

静岡県熱海市。函南町かんなみちょうとの境にある「十国峠じゅっこくとうげ」は、伊豆武蔵甲斐など十の国を見渡せることから、その名が付けられました。

ここ十国峠に鎌倉幕府三代将軍・実朝の歌碑があります。

十国峠・源実朝の歌碑

箱根路を わが越えくれば
伊豆の海や
沖の小島に 波の寄る見ゆ

実朝が箱根神社・伊豆山神社に参拝する「二所詣にしょもうで」の際に詠んだ歌です。

実朝は歌人として知られ、藤原定家の「小倉百人一首」には、鎌倉右大臣として選ばれています。

世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ
海人の小舟の 綱手かなしも

神奈川県鎌倉市、鶴岡八幡宮。境内を横断する流鏑馬やぶさめ馬場ばばの片隅にも、実朝の歌碑があります。

鶴岡八幡宮

関東大震災で倒壊した鳥居の柱。

鶴岡八幡宮・源実朝の歌碑

山はさけ 海はあせなむ
世なりとも
君にふた心 わがあらめやも

(山が裂け 海が干上がるような世であっても 私が上皇様を裏切ることはありません)

建暦3年5月、鎌倉を襲った大地震の際、後鳥羽上皇に向けて詠んだ歌とされています。実朝は和歌を通じて、大きな存在感を示しました。

「十国峠・源実朝の歌碑」

静岡県熱海市

JR「熱海」からバス「十国峠登り口」下車、徒歩30分

「鶴岡八幡宮」

神奈川県鎌倉市

JR「鎌倉」下車、徒歩10分

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