NHK 解説委員室

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どうなる?文書交通費の見直し

権藤 敏範  解説委員

今国会では、いわゆる文書交通費の見直しが焦点の1つとなっています。

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Q)イラストではテーブルの大皿料理を挟んで与野党がもめているようですが?

A)与野党には文書交通費をどう見直すかで違いがあります。
文書交通費は「第2の給与」とも呼ばれ、使いみちがチェックされることはなく余った分を返す義務もありません。先の衆議院選挙で初当選した議員らに在職日数が1日にもかかわらず100万円全額が支給され、国民の理解が得られないとして文書交通費を見直す必要性では一致しているのです。

Q)どこに違いがあるのですか?

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A)文書交通費を日割りでの支給に改める点では与野党間に異論はありません。
野党側の主張する▼領収書の写しをつけた収支報告書を公開することで使いみちを明らかにし、▼使わなかった分を国庫に返納できるようにするという2点で合意できていないのです。距離感のある立憲民主党や日本維新の会なども今回は「改革に後ろ向きだと捉えられたくない」という思惑から足並みがそろってきているとも言えます。

Q)与党側はなぜ使いみちの公開などに応じないのですか?

A)手続きやルール作りに時間がかかるとしているのです。
ただ、その背景には与野党問わず国会議員の中に「領収書のいらないカネは使い勝手が良くできれば残しておきたい」という本音も垣間見えます。

Q)どうなるのですか?

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A)今国会の会期も残り1週間となり、法改正は困難な情勢です。
今月のNHKの世論調査では、65%の人が使いみちの公開の義務づけまで求めています。
確かに日割りでの支給や国庫への返納は法改正が必要ですが、使いみちの公開は自ら行うことができますし、すでに公開している党もあります。仮に法改正が出来なかった場合に次の国会まで待つのか、それとも自らの判断で対応し説明するのか、その行動に国民の厳しい目が注がれることになります。

(権藤 敏範 解説委員)

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