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今シーズンも警戒を 雪による車のトラブル~大雪から命と暮らしを守る

清永 聡  解説委員

NHKでは12月から「大雪から命と暮らしを守る」というキャンペーンを始めています。そこで今回はこのキャンペーンから雪による車のトラブル。事故の防止や立ち往生の際の注意点をお伝えします。

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【去年はクリスマス寒波】
Q:このところ急激に気温が下がって、天気予報で雪のマークも増えています。西日本でも積雪が観測されています。

A:ちょうど去年のいま頃も、クリスマスの時期に強い寒気が流れ込んで、普段雪の少ない地方でも記録的な積雪になりました。
今年も警戒が必要な時期です。
NHKは、今月から「大雪から命と暮らしを守る」というキャンペーンを始めています。
今回はこのキャンペーンで呼びかけている「車の注意点」をお伝えします。

【車に乗る前に心がけることは】
A:車に乗る前の注意点をまとめました。雪国の方には当然のことも多いと思いますが、特に雪に不慣れな地域の方は参考にしてください。

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▽まずは冬用タイヤへの交換やチェーンの準備を済ませてください。
そして▽燃料が半分になる前に満タン給油を心がけてください。
Q:早めに満タンですね。
A:満タンだともし車が立ち往生しても、40時間程度アイドリングが可能になります。それに携帯電話の充電やラジオで情報を得ることもできます。

▽そして、冬用タイヤの安全は100円玉で確認です。
Q:100円玉。溝の深さを計るわけですね。
A:スタッドレスタイヤは半分以上すり減ると効果が発揮できません。100円の「1」の字から溝に入れてみてください。「1」の字が見えたら交換が必要ということです。

▽車に積もった雪を乗せたまま走らないでください。
Q:雪を乗せたまま走っている車ありますね。
A:急ブレーキで雪が落ちてきて前が見えなくなります。先に雪を落としてから走行してください。

▽最後に靴底の雪を払って車に乗ってください。
Q:これも靴に雪がくっついたままになることあります。
A:滑りやすくなってアクセルやブレーキを踏み外します。思わぬ事故につながります。特に雪に不慣れな地域の方は足下にも注意してください。

【立ち往生・国も早めの通行止めへ】
Q:満タン給油の話で、立ち往生について説明がありました。雪道で動けなくなるのは、恐ろしいですね。この立ち往生を防ぐ方法はないのでしょうか。

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A:実は一昨年、国土交通省が新たな方針を示しました。
というのは、かつて国は「自分たちが管理する道路をできるだけ止めない」という方針でした。特に幹線道路は、懸命に除雪してなんとか通行を維持しようとしてきました。

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ところが、特に平行する高速道路が通行止めになると、国道に車が押し寄せます。そこで立ち往生すると、大量の車で除雪車がたどり着けない。その結果、雪が取り除けず立ち往生がさらに長期化する、という「悪循環」が起きていました。

Q:除雪も救助もできない。命に関わりますね。
A:そこで、新たな方針は、大雪の恐れの際は主要な国道であっても躊躇なく早めに通行止めにしてしまうというものです。これは人命を優先した、考え方の転換です。

Q:でも、そうなると目的地へ行けなくなります。

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A:このため昨シーズンから大雪の予想の際には、各地の地方整備局があらかじめ通行止めの可能性について呼びかけて、可能なら計画を見直すよう求めています。その分、雪がやめば除雪を急いで、早いタイミングで通行を再開させることができるということです。

【道路情報提供システム】
Q:ドライバーの理解も欠かせないわけですね。
A:そこで、私たちも参考になるシステムが、今年の春から始まっています。国土交通省の「道路情報提供システム」です。

パソコンでもスマホでも誰でも見ることができます。スマホで操作してみます。

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「道路情報提供システム」で検索するとこのような日本地図が出てきます。

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行きたい地域を選んでメニューから

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「道路画像・地図」のボタンを押します。

Q:カメラのマークが出てきました。

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A:これを押すと、下に地点名が出ます。

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出てきた地点名を押すと、

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道路の現在の状況が映し出されます。

Q:これから遠出をする人や山を越える人は、途中の画像で雪が降っているかどうかが分かるのですね。
A:路面の状態や路面の温度も分かります。各地の地方整備局で取り組みが進んでいたものですが、春から全国システムにしました。

Q:ただ、運転中はスマホを触らないようにしてください。助手席の人が操作するか、出発前あるいは休憩中に確認するようにしてください。

【「大雪から命と暮らしを守る」】
A:NHKはこの冬も「大雪から命と暮らしを守る」で、今回紹介した防災上の注意点を地域向けの情報番組などで紹介しています。

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また、NHKのホームページやSNSでも「#NHK防災これだけは」で雪の注意点をお伝えしています。ぜひごらんください。

Q:これから年末年始の時期を迎えます。車で遠出する方は、事故のないよう時間に余裕を持って安全運転を心がけてください。


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