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「エアコン・扇風機の事故に注意!」(くらし☆解説)

水野 倫之  解説委員

夏真を迎え、エアコン扇風機が手放せないが、加えて今年は新型コロナウイルス対策でエアコンを自分で洗浄したり換気用に扇風機の使用機会が増えることも予想。しかし使い方を誤ると事故につながるケースが多く、注意が必要。
水野倫之解説委員の解説。

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エアコンの事故について製品評価技術機構がまとめたところ、この5年で260件余りが報告。エアコンを使い始めるこの7月が最多。
そして注目はその9割以上が火災になっている点で、3人が亡くなっている。
多いのが内部の洗浄に伴う事故。
機構によると今年は新型コロナウイルスの影響で身の回りを清潔にしたいという機運が高まっているほか、家族以外業者などを家の中に入れたくないという人もいて、エアコン内部を自ら洗浄しようというケースが増えるのではないかとみられている。
しかし十分な知識がないまま洗浄すると危険。
噴霧した洗浄剤の一部が電子基盤などの電気部品に付着すると、その水分によって電気の通り道ができて異常発熱が起き、やがて出火するケースがある。

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エアコンは機種によって内部構造が違うため、機構では洗浄は原則メーカーや業者に依頼してほしいと話す。
ただどうしても自分で洗浄する際には、洗浄液が基盤や電気配線それにファンモーターなどの電気部品に絶対にかからないよう注意してほしいと機構は呼びかけ。

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次に多いのが電源コードの改造による事故。
電源コードどうしをつなげて使うと、接触不良により発熱、壁紙などが燃えて火災になることも。またコンセントに届かないからと延長コードをも危険。
エアコンは電源を入れた時に最も電力消費が多くなり、定格の数倍の電気が一時的に流れ、延長コードの限度を超えることあり。これが繰り返されると延長コードのタップ内が異常発熱し、出火することがある。
エアコンは専用のコンセントを使うこと。

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そしてこれ以外にも虫が室外機と本体をつなぐ配管部分から中に入っていったり、室外機の排水のホースの中に入るなどして、エアコン本体の内部に入り込んでしまうことがある。その虫が電子基板の上でフンなどをするとショートして発熱、やがて火災になったという事故も。
虫のエサになるような植物などを室外機周りに置かない事、そして落ち葉などのゴミは取り除いて周りをきれいにしておくことで、ある程度は防ぐことができる。

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また扇風機の事故もこの5年で113件起きていて、やはり火災になって2人が亡くなっている。
今年は涼むためだけでなく、新型コロナの感染防止のため部屋を効率よく換気しようと扇風機を使用する機会も増えるとみられ、その分注意が必要。
扇風機で最も多いのは「経年劣化」による事故です。
4年前には広島県で扇風機が焼けた事故は20年以上使用されていたもので、首振り部分の配線の断線が原因だった。
113件の事故について、何年使っていて事故が起きたか機構が調べたところ、30年から40年、そして中には50年を超えて使い続けたものもかなりあったということ。

内部の配線以外にも扇風機にはモーターをスムーズに回転させるために電気を溜めるコンデンサーが使われているが、古い製品では内部に油。
コンデンサーが劣化して発熱、油に火がついて火災となった事故も。

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古い扇風機を使い続けていてスイッチを入れても羽が回らなかったり、本体をたたくとようやく回るという場合、また羽が回転するときに異音や異常な振動がある場合、さらに首振り動作が不規則だったり異常な音がするなどの症状があったら、すぐに使うのはやめて電源コードも抜くこと。
そしてそうなる前に買い替えの検討も。
今では各メーカーが何年使い続けることを想定して設計したのか、つまりは安全上問題なく使うことができる期間を表示することが義務付けられている。
例えば扇風機であればモーター部分の上に、西暦何年に製造されて何年間安全に使えるかが書いてある。この期間を過ぎると、故障する確率が高くなるので、この際自宅の製品の確認をしてほしい。

(水野 倫之 解説委員)

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