NHK 解説委員室

解説アーカイブス これまでの解説記事

「新型コロナ 家の中の子どもの事故に注意」(くらし☆解説)

水野 倫之  解説委員

新型コロナウイルスの影響で、今後も学校や保育園の休校・登園自粛が続く地域もあり、子どもたちが家の中で過ごす時間が長くなっている。ただ家の中は安全とは限らず、身近な製品でけがをするおそれもあり注意が必要。
水野倫之解説委員の解説。

k200514_01.jpg

大人にとっては何の危険もない製品でも、好奇心旺盛な子どもにとっては危険で、命に関わることもある。長期間子どもが家の中にいる今この時期こそ、保護者がその危険性を知っておく必要がある。

k200514_02.jpg

NITE・製品評価技術機構が0歳から12歳までの子どもの不注意がきっかけで起きた屋内の製品事故を調べたところ、過去5年で74件報告があり、2人が死亡、72人が重軽傷を負っていたことがわかった。
緊急事態宣言が出ていない普段の時期でもこれだけ報告があり注意が必要。

このうち死亡したケースは、いずれも窒息するいたましい事故だった。

k200514_07.jpg

まずはふたが横についたドラム式の洗濯乾燥機の閉じ込め事故。
おととし大阪で5歳の男の子が中でぐったりしているのが見つかり、その後死亡。
保護者が目を離したすきにドラム内に入ってふたが閉じて出られなくなり、窒息したとみられる。
ふたが閉じた理由ははっきりしないが、ふたはガラスが使われるなどしっかりしたつくりである程度の重さあり。このため勢いよくふたを開けると反動で戻ったふたが完全に閉まりロックされてしまうことがある。
NITEの統計には入っていないが、閉じ込め事故は2015年に東京でも起きていて、7歳の男の子が死亡。洗濯機が届いた時、男の子は業者が設置する様子を興味深そうに見ていたということで、事故はその日に起きた。
業界団体によると、相次ぐ事故を受けて子どもが開けられないよう「チャイルドロック機能」がつけられたり、閉じ込めが起きても子どもの力で中から開けられるよう設計が変更されているということ。

ただおととしの事故ではチャイルドロック機能はついていたが、使われていなかった。
閉じ込め事故防ぐにはまずは子どもに閉じ込めの恐ろしさを言い聞かせること。
その上で、カビをきらってふたを開けっ放しにするようなことはせず、使っていないときには扉を閉めて、チャイルドロックをかけること。
ただ古い製品にはチャイルドロック機能がないものや、子どもの力で中から開けられないものもある。そうした場合はゴムバンドでふたが開かないように固定するなど、子どもが開けることができない対策を。

k200514_012.jpg

死亡事故はロール式のブラインドや網戸のひもが絡まる事故でも報告。
去年11月、兵庫県で6歳の子がロール式網戸のひもが首に引っかかった状態で発見され、死亡。
ひもで窒息した可能性があり調査が行われている。
過去にはブラインドでかくれんぼをしていてつまづいてころび、ひもが首に絡まった事故も発生。
事故多発を受けて経済産業省は2017年からこうしたひもについて一定の安全性を保証するJISマークを適用。
子どもが背伸びして手が届く範囲にひもがないことや、一定の力がかかるとこのようにひもがはずれる機能を持たせることなどが求められ、今販売されている製品の多くはこうした安全性を備える。
ただ子どもが届く高さにひもがなくても、近くにソファやベッドがあれば絡まるリスクは高まる。
また古い製品の中にはJISマークが適用されていないものもあり、子どもの手が届くところにひもがある場合は、クリップなどで子どもが届かない位置にひもをまとめるよう注意。

k200514_014.jpg

ほかに多いのはやけど。
新型コロナウイルスで空気清浄機などを使う家庭も多いが、去年、群馬県で子どもが加湿機能がついた空気清浄機の蒸気の噴き出し口で、手をやけどする事故。
子どもがつかまり立ちをした際に、手が噴き出し口に触れてやけどを負ったとみられる。本体には「幼児やけどのおそれあり」という注意書きが貼ってあるも事故は起きた。

再現映像みると、保護者が目を離した隙に子どもが加湿器に近付いくと子どもの目の高さにちょうど噴き出し口がある。
その形は子どもの興味をひき触ってしまうことが多い。
柵を設けて子どもが近づけないようにするなどの注意を。

ほかにもウォーターサーバーの熱湯がかかったり、加熱中の炊飯器を子どもがさわってふたが開き、中のものがかかってやけどをしたという事故も報告。

k200514_016.jpg

子どもは目につくもの、手が届くもの、興味を引くものをすぐに触ろうとする。
外出自粛が求められる今のこの時期、子どものこうした特性を知った上で、子どもにとって危険な製品が家の中にないか確認することが重要。

k200514_018.jpg

その意味ではボタン型のリチウムイオン電池も危険性あり。
電池をテーブルの上に放置したままにしておくと、それを目にした子どもは興味津々で手にとり、誤って飲み込んでしまう事故が多発。
実際に電池を飲み込んだ子どものレントゲン写真みると途中でひっかかっていることわかる。
鶏肉に電池を入れて行った再現実験すると、電気分解でアルカリ性の物質ができて、1時間半もすると鶏肉に穴が空いてしまう。
過去には子どもの食道に穴が空いて1か月近く入院した例も。

万一飲み込んだことが疑われる場合は、すぐに医師に相談。
また普段から電池は子どもの手に届かないところに保管し、あらたに購入する場合も、開封にはさみが必要なパッケージの製品を買うなどの注意を。

(水野 倫之 解説委員)

キーワード

関連記事