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米連邦最高裁トランプ氏の立候補資格は?

髙橋 祐介  解説委員

アメリカのトランプ前大統領に大統領選挙への立候補資格は認められるでしょうか?連邦最高裁判所の判断が注目されています。髙橋解説委員とお伝えします。

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Q1)
けさのイラスト、連邦最高裁が山の頂上、ちょっと危ないところにありますね?
A1)
3年前の議会乱入事件に関与したトランプ氏に立候補資格はない。そう認定した去年12月のコロラド州最高裁判決は、南北戦争のあと憲法に定められた「反乱に加担した者は官職に就くことを禁じる」という条項を根拠にしています。
トランプ氏は判決を不服として連邦最高裁に上訴し、この日(8日)、弁論が開かれました。主な争点は3つ。▼トランプ氏は反乱に加担したか?弁護団は「議会乱入は恥ずべき犯罪的暴力だが反乱ではない」と指摘しました。▼大統領は単なる官職(officer)か?この点を条文は明示していません。▼立候補資格をはく脱できるか?ひとつの州の判断で大統領選挙を決定づけるような事態には、複数の判事が懐疑的な発言をしました。

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Q2)
連邦最高裁はいつ判断を示すでしょうか?
A2)
そこはわかりません。コロラド州では来月5日、共和党の予備選挙が予定されています。投票用紙にはトランプ氏の名前もあり、仮に連邦最高裁がコロラド州判決を支持した場合、選管当局はトランプ氏の得票を集計しないとしています。
しかし、連邦最高裁の9人の判事は、6対3で保守派が優位で、コロラド州判決を覆し、トランプ氏の立候補は妨げないのではないかという見方が大勢を占めています。その場合、反乱に加担したかどうかには踏み込まず、実質的な判断を避ける可能性もありそうです。

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Q3)
どうしてですか?
A3)
有権者ではなく司法の判断で、トランプ氏を排除したら、支持者らが爆発的に反発して、大混乱に陥りかねないからです。連邦最高裁のロバーツ長官は、判決が政治に与える影響は出来る限り小さくしたいという方針をかねてから掲げています。
連邦最高裁はどのような判断を示すのか?アメリカの民主主義のあり方が問われようとしています。


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