NHK 解説委員室

これまでの解説記事

米民主党予備選挙"初戦サウスカロライナ"へ

髙橋 祐介  解説委員

秋のアメリカ大統領選挙に向けた与党・民主党の候補者選びが、3日、初戦となる南部サウスカロライナ州の予備選挙で開幕します。髙橋解説委員とお伝えします。

C240202_6.jpg

Q1)
けさのイラスト、バイデン大統領らを乗せたボートが沼地を進んでいる?
A1)
民主党の候補者選びが、南部サウスカロライナ州から始まるのは今回が初めてです。バイデン大統領は、ほかの候補2人を大きく引き離し、勝利を確実視されています。
4年前の前回の候補者選びで、初戦からつまずいたバイデン氏は、このサウスカロライナでようやく1勝を挙げて、劇的な復活を遂げた経緯がありました。このため、再選をめざす今回は、民主党支持層の過半数を黒人が占めるこの州を敢えて初戦にすることをみずから提案した上で、地元選出の有力議員から支援も受け、支持固めに余念がありません。
ただ、勝つには勝っても、投票率がどこまで上がるかが焦点になりそうです。

Q2)
なぜ投票率が焦点になるのですか?
A2)
同じサウスカロライナ州で野党・共和党の予備選挙が今月下旬に予定されているからです。この州の有権者は、所属政党を事前に登録する必要がなく、両党のいずれかの予備選挙に投票するかを選べます。
共和党の予備選挙は、トランプ前大統領が圧倒的に優勢です。ここで州知事を務めたヘイリー元国連大使もいるため、投票率の上昇が予想されています。
このため、バイデン陣営は、前回の民主党の予備選挙の投票率16%を大きく上まわることで、再選キャンペーンの勢いを全米に印象づけたいとしています。

Q3)
バイデン氏とトランプ氏が再対決した場合、どちらが優勢なのですか?
A3)
全米規模の支持率の平均は、今のところトランプ氏がやや優勢です。このサウスカロライナ州も4年前の本選挙はトランプ氏が勝ちました。民主党が支持基盤と頼む黒人有権者らの間には、物価高騰への不満や大統領の高齢不安などから“バイデン離れ”の兆候も指摘されています。
民主党の初戦は、沼地と同様、水面は穏やかに見えても、どこに危険が潜んでいるかわかりません。


この委員の記事一覧はこちら

髙橋 祐介  解説委員

こちらもオススメ!