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ロシア大統領選挙 反戦の声は?

石川 一洋  専門解説委員

ロシアの大統領選挙で平和を訴える候補者が立候補できるよう署名するために多くの人が並んでいます。石川一洋専門解説委員に聞きます。

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Q 平和を訴える候補への署名とは?

A この写真は先月22日のモスクワです。今年のロシアの冬は厳しい寒さの本物の冬で、その中で多くの人が署名のために並んでいました。

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リベラル系の政党の候補者ボリス・ナデジディン氏は、プーチン退陣と平和をスローガンにしています。ナデジディン氏が立候補するのに必要な署名をするために長蛇の列を作っているのです。
ロシア大統領選挙では▼国会に議席を持つ政党からは署名なしで立候補できます。▼議席を持たない政党からは、ナデジディン氏の場合ですが、10万人の有権者の署名が必要です。▼無所属の候補者は30万人の署名が必要です。プーチン大統領は無所属で立候補、すでに30万人の署名を提出、候補者登録され、本格的な選挙運動を始めています。

Q 平和を訴える候補者に署名して弾圧されないのですか

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A 「戦争反対」という署名は直ちに逮捕される恐れがありますが、あくまで大統領選挙の候補者を推薦するという法に基づく署名ですので、それだけで拘束される恐れはありません。若い人から高齢者まで署名は、「市民としての立場」を示すためと話しています。合法的に反戦の表明の手段となっていて、押さえつけられてきた反戦の声が活性化しているのです。
しかし住所、連絡先を書いての署名で、中央選管に提出されます。その名簿をもとに弾圧されるのではないか、若い人にとっては軍事侵攻に動員されないか、そうした恐れを乗り越えての署名となります。

Q ナデジディン氏の立候補は認められるのでしょうか

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A 署名の提出期限は31日まで、ナデジディン氏はすでに必要数の二倍以上の20万を超える署名を集めたとしています。数は十分ですが、中央選挙管理委員会から様々な難癖をつけられ、立候補が認められない恐れもあります。
プーチン大統領が圧倒的に優勢な中で、20万人の署名を力にナデジディン氏が立候補できるのかが、焦点となっています。


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石川 一洋  専門解説委員

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