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33年ぶりの株高 バブルの再来か?

岸 正浩  解説委員

日経平均株価が33年ぶりの高値まで値上がりしました。このところの株高の背景や今後の見通しについて考えます。

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▼強気の見方も
年明け以降、日経平均株価は3000円以上値上がりしました。急ピッチの値上がりで値を下げる場面もありますが、株の専門家の間では、ことし中にバブル期の1989年12月に付けた3万8915円を更新するのでないかという強気な見方も出ています。

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▼誰が買っているの?
株高の背景には、好調な企業業績、賃上げ、新NISAが上げられます。円安で特に輸出企業が業績を大きく伸ばしています。また、ことしの春闘で去年を上回る大幅な賃上げが実現して、賃金と物価の好循環が生まれ、日本が長く続いたデフレから脱却するという期待も高まっています。
特にこれに反応しているのが海外の投資家で、積極的に日本株を買っています。さらに1月から個人を対象にした税制優遇制度・NISAが拡充されたことも個人投資家の資金を呼び込んでいるようです。こうした中、トヨタ自動車の株式の時価総額がバブル期を象徴する銘柄だった当時のNTTの時価総額を超え、市場で話題となりました。

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▼バブルの再来?
かつてのバブル時代と状況は異なることから単純には比較できませんが、このところの株価の急上昇について専門家の間からやや過熱気味という見方も出ています。ことしは日本とアメリカの金融政策が転換すると予想されていて、輸出企業の業績を押し上げている円安がどこまで続くのか不透明です。また、アメリカ大統領選挙の結果が世界経済にどのような影響を与えるのか見極める必要もあります。さらに賃上げも中小や零細企業それに非正規の皆さんにも広がり、景気全体の底上げができなければ、持続的な株高は難しいかもしれません。その点でもこれから本格化する春闘は重要で、その行方をしっかりと見ていく必要があります。


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岸 正浩  解説委員

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