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インドネシア大統領選 プラボウォ氏リード ジョコ氏の思惑は

藤下 超  解説委員

インドネシアの大統領選挙が、来月14日に行われます。
人口2億7千万の東南アジアの大国を誰が率いることになるのか。
藤下超(わたる)解説委員とお伝えします。

Q)現職のジョコ大統領は、今回立候補していないんですね。

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A)インドネシアの大統領は、3選が禁止されているため、現在2期目のジョコ氏は立候補できません。10年ぶりに新しい大統領が選ばれます。
3人が立候補していますが、リードしているのは、国防相のプラボウォ氏です。世論調査で他のふたりを20ポイント以上離しています。
プラボウォ氏は軍人出身で、過去2回の選挙では、ジョコ大統領と激しく競いました。
その後、一転して政権入りし、今回は、ジョコ大統領の路線を継承すると訴えています。
しかも、パートナーの副大統領候補に、ジョコ氏の長男を起用しました。

Q)ということは、ジョコ氏もプラボウォ氏を支持しているということでしょうか。

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A)ジョコ氏本人は、表向きは中立を保ち、支持候補を明らかにしていません。
実は、ジョコ氏は、ガンジャル氏を擁立した、闘争民主党に所属しています。
党首は、元大統領のメガワティ氏です。
しかし、長男の副大統領候補への起用を黙認したことで、ジョコ氏は、ガンジャル氏でなくプラボウォ氏の支持に回ったという受け止めが広がっています。
安定した経済成長を実現し、高い支持率を誇るジョコ大統領の追い風を受ける形で、プラボウォ氏の支持率も急速にアップしているのです。

Q)ジョコ氏の狙いは何でしょうか。

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A)退任後も政治的影響力を残したい思惑があると思います。
ガンジャル氏が当選すると、メガワティ党首の力が強まり、自らの影響力がそがれる。そのような計算が働いたという見方もあります。
投票まであと3週間。
過半数を得る候補がいなければ、6月の決選投票にもつれこみます。
プラボウォ氏が逃げ切り、ジョコ氏が新たなキングメーカーの地位を固めるのかどうか。
選挙結果が外交関係に大きな影響を与えることはないと見られていますが、日本とも関係の深い国の選挙だけに、注目したいと思います。


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藤下 超  解説委員

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