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囲碁 仲邑菫女流棋聖 韓国移籍前にタイトル戦

高橋 俊雄  解説委員

ことし3月、韓国に移籍する囲碁の仲邑菫(なかむら・すみれ)女流棋聖が、18日から女流タイトル戦の三番勝負に臨みます。

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■対局の位置づけは
仲邑さんにとって、自身初のタイトル防衛戦にして、移籍を前に国内で戦う最後のタイトル戦になります。
開幕するのは、「女流棋聖戦」三番勝負。仲邑さんは上野梨紗二段の挑戦を受けます。

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仲邑さんは去年、このタイトル戦を制して史上最年少の13歳11か月でタイトルを獲得しました。今回はそのタイトルを守る戦いとなりますが、仲邑さんは「より高いレベルの環境で勉強することが必要だ」として、対局後の3月、韓国棋院に移籍します。
仲邑さんは2019年、当時史上最年少となる10歳0か月でプロ棋士になりましたが、それより前にも韓国をたびたび訪れ、現地の囲碁道場で同年代の棋士と対局したり、プロ棋士から指導を受けたりして実力を磨いてきました。
日本棋院によりますと、仲邑さんが今回勝って防衛した場合、タイトルは移籍に伴って返上されます。次の期は、例年であれば挑戦者を決めるトーナメントの決勝を三番勝負にして、勝った棋士がタイトルを獲得することになるということです。

■対局の注目点は

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仲邑さんは14歳、上野さんは17歳と、若い2人による戦いです。
上野さんは仲邑さんと同時にプロ入りした「同期」です。日本棋院によりますと、10代どうしのタイトル戦は初めてで、2人の年齢の合計が「31歳」というのも最年少記録となります。
上野さんは去年1年間の成績が49勝19敗で、すべての棋士の中で最も多い勝ち数となりました。今回の女流棋聖戦では、挑戦者決定戦で姉の上野愛咲美女流名人を破り、挑戦者に決まっています。今回の三番勝負に勝てば、初のタイトル獲得です。

上野さんはこれまで仲邑さんに0勝6敗と、まだ勝ちがありません。ここでタイトルを奪えば大きな自信になるだけでなく、韓国に渡る仲邑さんの穴を埋める棋士として名乗りをあげることになります。
一方、仲邑さんにとっても、韓国移籍を前にタイトルを失うわけにはいきません。
「女流棋聖戦」三番勝負は2月にかけて行われ、先に2勝したほうがタイトルを手にします。若い同期の2人がしのぎを削る、注目の対局になりそうです。


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高橋 俊雄  解説委員

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