NHK 解説委員室

これまでの解説記事

トランプ氏の立候補資格 連邦最高裁の判断は?

髙橋 祐介  解説委員

開幕まで3週間を切ったアメリカ大統領選挙の共和党の大統領候補選びについて、連邦最高裁判所の判断が注目されています。髙橋解説委員とお伝えします。

C231226_6.jpg

Q1)
けさのイラスト、裁判所前で剣と天秤を持っている彫像は何ですか?
A1)
公正な司法を象徴する“正義の女神”です。先週コロラド州の最高裁判所は、おととし(2021年)の議会乱入事件で前大統領が「反乱」に加担したと認定し、序盤戦の最大のヤマ場となる3月の“スーパーチューズデー”でトランプ氏がコロラド州の予備選挙に立候補する資格を認めないという判断を示しました。
トランプ氏は「政治的に偏向した判決だ」と反発し、連邦最高裁に上訴するとしています。

Q2)
トランプ氏の表情には余裕もあるようですが?
A2)
いまの連邦最高裁は、“保守派優位”で、立候補は妨げないのではないかという見方が多いからでしょう。連邦最高裁が審理に入れば、その間、コロラド州の判決は効力を停止し、トランプ氏の名前は投票用紙に残されます。
ほかの候補者たちも、有権者ではなく司法判断が立候補の可否を決めることには反対しているため、共和党内の支持固めには追い風になるという読みもうかがえます。
トランプ氏は、裁判の日程を出来る限り引き延ばした上で、7月半ばの共和党大会で大統領候補の指名を獲得し、11月の選挙に勝利して、大統領の“免責特権”を主張するものとみられています。

Q3)
連邦最高裁はいつ判断を示すでしょうか?
A3)
まだわかりません。連邦最高裁は先週、トランプ氏の“免責特権”の主張をめぐり迅速な判断を求めた検察側の申し立てを退け、“スーパーチューズデー”の前日に予定されている初公判も、延期の可能性が出てきました。
その一方で、連邦最高裁がコロラド州の判決を仮に覆し、立候補を認める判断を示せば、今度は民主党陣営が反発し、バイデン大統領に追い風が吹くという見方もあります。
連邦最高裁はいつどのような判断を示すのか?来年の大統領選挙は、司法の判断が情勢を大きく左右する可能性が高そうです。


この委員の記事一覧はこちら

髙橋 祐介  解説委員

こちらもオススメ!