来年のアメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の大統領候補選びについて、髙橋解説委員とお伝えします。
Q1.
けさのイラスト、どうして大小ふたつのテーブルがあるのですか?
A1.
共和党は、8日(日本時間きょう午前)、フロリダ州マイアミで第3回のテレビ討論会を行います。支持率トップを独走しているトランプ前大統領は、「勝負にならない」との理由から今回も出場せず、同じ州内で選挙集会を予定しています。このため、トランプ氏を除いて全米の支持率4%以上という出場資格を満たした5人が、“小さなテーブル”で論戦に挑むのです。
Q2.
5人の中では誰が有力なのですか?
A2.
注目は、トランプ氏に次ぐ“2番手争い”を演じるフロリダ州のデサンティス知事と、唯一の女性候補、ヘイリー元国連大使です。
共和党の大統領候補選びは、年明けから開幕し、まず1月15日アイオワ州の党員集会、1月22日ニューハンプシャー州の予備選挙が続きます。ヘイリー氏は、過去2回のテレビ討論会で評価を高めて、アイオワ州では2位のデサンティス氏を追い上げ、ニューハンプシャー州ではすでにデサンティス氏を抜いて2位に躍り出ています。
Q3.
どうしてヘイリー氏が浮上している?
A3.
それもトランプ氏が関係しています。デサンティス氏は、トランプ氏と保守的な支持層が重なります。このため、トランプ氏が有罪判決など、何らかの理由で失速しない限り、巻き返しは簡単ではないかも知れません。
一方、ヘイリー氏は、トランプ氏とは敢えて一線を画して、世代交代を掲げ、「自分こそが民主党候補と対決する本選挙でバイデン大統領に勝てる新世代のリーダーだ」とアピールしています。
いまは“2番になることに意味がある”。たとえトランプ氏の後塵を拝しても、政治的な影響力は保てることを重視した戦略がうかがえます。
来月ことし最後のテレビ討論会は、出場資格が支持率6%以上に上がり、主な候補者は、さらに絞られます。デサンティス氏とヘイリー氏。ふたりの熾烈な“2番手争い”は、ますます激しくなりそうです。
この委員の記事一覧はこちら