◆クマに襲われけがをするなど被害にあった人の数が過去最多に
NHKのまとめでは今年はこれまでに18の道府県で170人以上が被害にあい、亡くなる人も出ています。最近の特徴は山の中に限らず、「アーバンベア」と呼ばれる街中に現れるクマが増えていることで、県庁所在地などの市街地や病院にまでクマが出没しています。
全国で最も多い被害が出ている秋田県では、「今年はいつでもどこでも誰でもクマに遭遇するリスクがある」として住民に注意を呼びかけています。
◆クマの出没が増えている理由
直接の原因は、今年はエサのドングリが全国的に不作でエサを求めて行動範囲が広がっていることが挙げられますが、中長期的には、過疎化や耕作放棄地の増加などで市街地近くまでクマが身を隠して近づける草木が茂る場所が増えたことがあるとされます。
さらにクマは嗅覚が優れているので、庭の柿や栗の木に実が残っていたり生ごみが外に放置されていたりするとその匂いにひかれて街中に入り、それを繰り返すうちに人を恐れなくなっているのではないかとも指摘されます。
◆対策・身を守るために
国はきょう緊急で関係省庁の連絡会議を開き、自治体がクマを捕獲する費用の支援など対策を強化する方針です。こうした対応に追われる自治体の支援は欠かせませんし、加えて私たちも、山に入る時だけでなく畑仕事や草木が多い場所に行く時も鈴など音の出るものを身につけ、万一クマに出くわしたら背中を向けて走ることはせずゆっくり遠ざかるなど、対処法を知っておくことも大切です。
そして果実は残さず収穫し近所の茂みは刈り払いを行うなど、クマが冬眠に入る12月頃までひとりひとりがリスクを減らす行動をとることも身を守ることにつながります。
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