プーチン大統領が習近平国家主席の主催する一帯一路の国際フォーラムに出席するため中国を訪問します。石川専門解説委員に聞きます。
Q プーチン大統領と習近平主席、何をしているのですか?
A 東西を繋ぐ一帯一路という緑の竜を描いた縦断の上をプーチン大統領と習近平主席はユーラシアダンスを披露しようとしています。
両国の関係はあたかも、“包括的、戦略的パートナーシップは永遠“という行進曲のもと、さらばアメリカの一極支配! 多極化した公正な世界、中ロの協力でユーラシアの安定などと歌っているかのようです。
ただよく見るともっと手を組みたいプーチン大統領に対して、習主席は適度の距離を保ち、少し余所余所しい様子です。
Q それぞれの思惑は?
A プーチン大統領は中国への石油やガスの供給をさらに増やす代わりに半導体など欧米からの制裁で供給不足に陥っている分野で協力をと習主席にささやきます。
また先月ロシア極東を訪問した北朝鮮の金正恩総書記との会談について詳しく話し、アメリカに対抗するため、中国も含めて北朝鮮との連携を強めたい考えです。
しかし習主席は安いエネルギーは喜んで買うが、兵器生産につながる先端技術の分野でロシアを本気で支援するつもりはありません。また北朝鮮についてもあまり踏み込みたくないのが本音でしょう。
習近平主席、来月のAPEC首脳会議でバイデン大統領との会談に応じるかどうか、思案中で、あまりにプーチン氏と近づきすぎるのは得策ではないと考えているようです。
Q 2人のダンス、足並みは揃うのでしょうか?
A プーチン大統領、“ユーラシア共同体“という青いスカーフを振っています。旧ソビエトでロシアの優先的求心力をという魔法のスカーフです。
しかしその魔力も落ちて、ロシア離れは中央アジアやコーカサスで進んでいます。
そこに手を突っ込んでいるのは中国で、習主席には古い歌は忘れて、一帯一路を歩みましょうと言われています。
プーチン大統領にとって一帯一路の赤い絨毯、渋々歩んでいるのが実情のようです。
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