将棋の八大タイトルの1つ、王座戦の挑戦者を決める対局が4日に行われ、藤井聡太七冠が勝てば、八冠をかけた五番勝負への出場が決まります。
■八冠への道のり 残るは「王座」
将棋界には8つのタイトルがあり、それぞれ年に一度、タイトルをかけた五番勝負や七番勝負が行われます。藤井七冠は1年前は「五冠」でしたが、その後5つのタイトルをすべて防衛するとともに「棋王」と「名人」を奪い、残るは「王座」だけとなりました。
21歳にして前人未到の「八大タイトル全制覇」を成し遂げるには、例年8月末から9月初めに開幕する王座戦五番勝負に出場して、永瀬拓矢王座からタイトルを奪う必要があります。
■お互い負けられない一戦に
タイトル戦に出るには挑戦者になる必要がありますが、藤井七冠は王座戦では過去5回、いずれも途中で敗れ、挑戦者決定戦に駒を進めたのは今回が初めてです。
王座戦の挑戦者決定戦の対局は1回だけです。今回、対戦相手として立ちはだかるのはトップ棋士の1人、豊島将之九段。去年もこの舞台に立ち、勝って王座戦の挑戦者になっています。
2人のこれまでの対戦成績は、藤井七冠の21勝11敗。直近は藤井七冠が8連勝中と、数字の上では藤井七冠に分があると言えます。
ただ、豊島九段はおととし藤井さんに2つのタイトルを立て続けに奪われ、その後無冠が続いています。再びタイトル保持者になるためにも、負けられない一戦となります。
■八冠制覇 実現?それとも阻止?
藤井七冠は現在、王位戦七番勝負で佐々木大地七段の挑戦を受け、これまで3連勝してタイトル防衛に王手をかけています。
豊島九段と永瀬王座、佐々木七段の3人に勝てば八冠制覇となるわけですが、逆に言えば今年度はこの3人だけが「藤井八冠」を止める可能性を手にしているということになります。
藤井七冠がこのまま止まることなく偉業を成し遂げるのか、それとも3人のうち誰かが八冠を阻止するのか。まずは、この中で唯一の一発勝負となる4日の対局に注目です。
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