政府はあすから8月末まで、東京電力管内に節電を要請。水野倫之解説委員の解説。
節電要請今回東電だけなのは東電管内だけ、電力需給が厳しいから。
電力の安定供給には最低限3%の余力が必要。
東電管内では去年夏、東京で猛暑日が過去最多となったこともあり、厳しい暑さを想定すると、7月が3.1%とギリギリ、8月も4.8%と厳しい見込み。
そこで政府はあすから東電管内だけ、数値目標は設けず、無理のない範囲での節電を要請する。
電力会社が採算の悪い火力発電の廃止を進めたため、日本は慢性的な電力不足となり、去年夏、この冬と全国に節電要請された。
そこで政府や各社は、発電所の点検時期をずらすなどの対策を進め、東電管内でも老朽火力の再稼働にめどをつけはしたが、ほかの火力で不具合が見つかって、供給力を大幅に増やせず、節電に頼るしかないというわけ。
節電、家庭ではどうすればいいか。
いつも電気が足りないわけではなく、太陽光発電が減り、夕食の準備で電力需要が増える午後5時から8時の節電が重要。
この時間、電力需要が多いのはエアコン。
例えば室温を26度から2度上げれば5.4%、フィルターを掃除すれば1.9%の節電効果。
ただ熱中症予防のため室温は28度以下を保つように。
加えて政府は節電ポイント制度の利用を呼びかけている。
需給がひっ迫しそうな時に電力会社がメールなどで要請し、節電するとお金にもなるポイントがもらえる制度で、昨年度東電では125万世帯が参加。
ただ自動的に継続されない点に注意が必要で、この夏あらためて申し込む必要。
制度で効率よく節電に取り組むのと同時に、政府は需給ひっ迫のおそれがあるときには速やかに注意喚起をし、万が一にも広域停電が起きないようにしなければ。
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