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5月はベビーカー利用キャンペーン

木村 祥子  解説委員

今月、電車やバスといった公共交通機関などで「ベビーカーが利用しやすい環境づくりキャンペーン」が行われています。詳しく解説します。

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Q①:このマーク、電車やバスでよくみかけますが。

A①:「ベビーカーマーク」といいます。電車やバスにある車いす用のスペースや駅のエレベーターなど、ベビーカーが安心して利用できる場所に掲示されています。このマーク、9年前にできたのですが、国が去年、全国の20歳以上のおよそ1000人を対象に行ったアンケートよりますと、半数を超える56.9%がこのマークの意味を「知らない」と答えました。
また、電車やバスに乗る時は原則として「ベビーカーは折りたたまずに利用できる」のですが、これについても「知らない」と答えたのが4割をこえました。

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Q②:ベビーカーを折りたたまずに乗り込んで、他の乗客から「邪魔だ!たため」と怒鳴られたなど、ベビーカーをめぐって各地でトラブルが起きていましたよね。

A②:そこで国は公共交通機関などでのベビーカーへの理解が十分に進んでいないとして、鉄道やバス会社などと連携して、駅にポスターを掲示したり、車内アナウンスを実施したりするなど、乗客に理解と協力を求めるキャンペーンを行っているのです。

Q③:周囲の理解が深まって、安心して出かけられるようになるといいですね。

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A③:そうですね。ただ一方で国のアンケートでは「ベビーカーを折りたたまずに乗車することに反対だ」と答えた人たちからは、「親がずっとスマートフォンを触っていて、子どもを見ていない。こちらに配慮を求めるのであれば、ベビーカーを利用する親にも電車や公共施設でのマナーを周知すべきだ」といった厳しい意見もありました。
また、優先スペースをさらに広げるなど、鉄道事業者などには混雑時に不便さや窮屈さを感じさせないような環境整備を求める声もありました。

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ベビーカーを使用する人たちにはベビーカーが別の乗客にぶつかっていないか安全に気を配ったり、一方、周囲の人たちは、ベビーカーの利用者が電車やバスで困っていたりしたら手助けをしてあげるなど、温かい気持ちで接してあげてほしいと思います。


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木村 祥子  解説委員

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