NHK 解説委員室

これまでの解説記事

衆参5補選・統一地方選後半戦 影響は

権藤 敏範  解説委員

統一地方選挙の後半戦とともに23日に投票が行われた衆参の補欠選挙は自民党の4勝1敗でした。

Q)イラストは与野党が戦い終えたところですね?

C230424_2.jpg

A)明暗を分けたのは衆議院千葉5区だと思います。自民党は「政治とカネ」をめぐる問題を受けて厳しい戦いとなりましたが、野党候補が乱立したことで批判票が分散し勝利しました。与野党が全面的に対決する構図となった大分でも接戦の末、議席を奪い返しました。政権の「中間評価」と位置付けられていた今回の補欠選挙で、選挙前に比べて1議席上乗せし、自民党執行部は「良い結果で、政権に前向きな評価を得られた」としています。

Q)野党側はどうですか?

C230424_4.jpg

A)象徴的なのは日本維新の会の躍進だと思います。前半戦の奈良県知事選挙などで勝利した勢いのまま和歌山1区も制し、今後の全国展開にも弾みがつくとしています。
一方、立憲民主党は擁立した候補がすべて敗れ、厳しい結果となりました。特に千葉では候補の一本化を働きかけたものの叶いませんでした。今後、維新との主導権争いに加えて、巨大与党に対峙するため野党間の選挙協力をどう進めていくか戦略の練り直しが求められます。

Q)今後の焦点は何ですか?

C230424_6.jpg

A)衆議院の解散・総選挙が早まるかどうかです。最近の外交成果や内閣支持率が好転しつつある中、今回の結果を受けて、与党内からは解散時期が早まり5月のG7広島サミットの後はいつあってもおかしくないとの見方も出ています。
ただ、与党内には少子化対策や防衛力強化にあてる財源をどう確保するかなど、解散よりも重要政策への取り組みを優先すべきという意見も根強くあります。一方で、国民に新たな負担を求めることになれば信を問うべきだという声が高まる可能性もあります。
後半国会は、衆議院の解散時期をにらんだ展開になるとみられ選挙に向けた態勢づくりなど各党の動向に注目です。


この委員の記事一覧はこちら

権藤 敏範  解説委員

こちらもオススメ!