日本のベンチャー企業が、日本初、そして民間初となる月面着陸に今月挑戦する。
水野倫之解説委員の解説。
イラストにあるのが今回挑戦する着陸船。
高さ、幅ともに2mあまりの小型の着陸船で、本体内部には顧客から預かった小型のロボットなどが搭載されている。月面でのビジネスを目指す日本のベンチャー企業が開発し、去年12月に打ち上げられ現在月の上空100キロをまわっていて、日本時間の来週26日未明に着陸に挑む。
果たしてうまくいくのか。
実は月面着陸は極めて難しい。これまで成功したのは旧ソ連、アメリカ、中国の3か国だけ。
最近もインドやイスラエル、そして去年11月にはJAXAの着陸機も挑戦したがトラブルで失敗している。
難しいのは、地球の6分の1とはいえ重力がある点で、制御がうまくいかなければ月面に激突してしまう。
今回も、時速5900キロで飛行中の着陸船にブレーキをかけ姿勢を制御しながら降下し、1時間で速度をほぼゼロにできるかどうか、やり直しがきかない一発勝負となる。
ただベンチャーでは成功の可能性は十分あると自信をのぞかせている。
それは独自技術にこだわらず、実績ある技術を採用しているから。
最も重要なブレーキをかける7基の逆噴射エンジンは、実績のあるドイツにある会社から購入した。
また姿勢の制御システムも、アポロ計画で実績のあるアメリカの研究機関と共同開発したもので現在こうした装置に問題がないかチェックを行っているところ。
今後ベンチャーはどんなビジネスを検討してるのか?
月には水などの資源が存在する可能性があり、アメリカは日本などの協力も得て2025年以降に有人で継続的に探査する計画。
ベンチャーではそれに伴って物資の輸送需要が高まると見ており、世界に先駆けて輸送ビジネスに参入することを目指している。
その実現に向けた一歩を踏み出すことができるのか、26日の挑戦に注目。
この委員の記事一覧はこちら