◆15~16日札幌でG7気候・エネルギー・環境大臣会合が開かれる
ホスト国の日本からは経済産業相と環境相の“ダブル西村大臣”が出席。メニューには多くの議題が書かれていて、レアメタルなど重要資源を循環利用する経済の構築や来月に条約交渉を控えたプラスチック問題、昨年末にできた生物多様性の世界目標をどう実現していくのかなど。中でも注目されるのは、ウクライナ侵攻が長期化する中、エネルギーの安定供給と待ったなしの気候変動対策をどう両立させるか?です。
◆気候変動対策の焦点は?
日本は脱炭素を経済成長につなげるGX(グリーン・トランスフォーメーション)の推進に向け資金の確保や国際連携、さらには燃やしてもCO2を増やさないとされる燃料などの普及に向けた議論も進めたい考えです。
ただその日本のGXは、CO2の排出に値段を付け排出量取引を本格導入するのが10年先の計画だったり、CO2の排出が特に多い石炭火力をアンモニアを混ぜて燃やすことで使い続ける方針など、むしろ脱炭素化の遅れも指摘されます。
掲げるメニューにも、石炭火力の廃止時期や電力の脱炭素化の前倒しなどはないのか?と各国から注文もついているようです。
◆会合の見通しは?
どんな成果をあげられるか予断を許しません。
国連機関の最新報告書は、この10年で温室効果ガス削減を大幅に強化しないと気温上昇の悪影響は今後数千年にも及ぶとして、もう時間がないことを強調していますが、世界のCO2排出量は去年も過去最多を更新しています。
ヨーロッパでも車のEV化などをめぐり各国の足並みに乱れも見られる中、G7が結束して持続可能な社会への転換を主導できるのか?来月広島で行われる首脳会合に向け、具体的な方向性を示せるかが注目されます。
この委員の記事一覧はこちら