1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で、死刑が確定した袴田巌さんの再審・裁判のやり直しに向けた初めての協議が静岡地方裁判所で開かれました。
やり直しの裁判はどうなるのでしょうか。
Q:袴田さんがリングに上がっています。
A:袴田さんは元プロボクサー。ついに再審のリングに上りました。
先月、再審開始が確定し、やり直しの裁判をどのように進めるかという最初の協議が、10日午後に静岡地裁で行われました。ただ、ここまでの道のりは事件が起きた1966年から半世紀以上、きわめて長いものでした。
Q:対戦相手は・・・・・・、検察は考え込んでいますね。
A:10日の打ち合わせで検察は、有罪を求める立証を行うかどうか明らかにしませんでした。弁護団によると検察は「3か月は必要だ」として、7月10日までに方針を明らかにする考えを示したということです。
一方、弁護団は袴田さんが長期間収容されていた影響で、いまも十分に会話できない状態が続いていることから、出廷を免除するよう裁判所に求めています。
袴田さんは87歳。支えてきた姉のひで子さんは90歳です。
迅速な審理が望まれます。
Q:2014年にも静岡地裁が、再審開始の決定を出しています。
A:この時は検察が争い続けて、さらに審理が続きました。もしここで確定していれば、9年前にはやり直しの裁判へ向けた動きが、始まっていたことになります。
Q:再審というと時間がかかる印象です。
A:現状は、リングに上がるまでの争いであまりに長い時間がかかっています。
日弁連・日本弁護士連合会は検察による不服申し立ての禁止を求めています。
一度裁判所が再審を認めたら、やり直しの裁判で争えばよいという考えです。
そうすると公開の法廷で行われ、迅速化も可能になります。
今は、再審請求の水面下、非公開の争いが中心になっていて、やり直しの裁判、つまり再審公判が「形骸化」していないでしょうか。
再審制度は、これから見直しに向けた議論が必要になってくるでしょう。今の長い道のりをどう改善するかが課題です。
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