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統一地方選前半戦 結果をどう見る?

田中 泰臣  解説委員

4年に一度の統一地方選挙。前半戦の投票が9日行われました。私たちはどこに注目すべきでしょうか。

Q)各党の党首、地図で戦況を確認していますね。

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A)今回、9つの道府県で知事選が行われましたが、中でも注目したいのは日本維新の会の新人、山下さんが勝利した奈良県知事選挙です。維新は初めて大阪以外での公認知事が誕生しました。大阪の府知事・市長のダブル選挙も制し、41の道府県議選でも議席倍増と、党として勢いがつく結果となりました。
ただ奈良は、やはり「保守分裂」の影響が大きかったと言えます。

Q)相手が支持する候補者を1本化できなかったということですね。

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A)自民党県連は世代交代が必要などとして、現職に代わって元官僚の新人を推したものの、一部の県議らは反発して現職を支援。結局「共倒れ」という形になりました。県連のトップは高市経済安全保障担当大臣。今回の結果は党にとってはもちろん、高市さんにとっても痛手と言えます。

Q)一方で与党、北海道では勝利しましたよね。

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A)今回の知事選で唯一与野党の全面対決となり、与党などが推薦した現職が勝利しました。また唯一、新人の一騎打ちとなった大分でも勝利。自民は道府県議選で過半数を確保するなど今回の前半戦、与野党どちらか一方的な勝利とまでは言えません。そうした意味でも23日に行われる後半戦、また衆参の補欠選挙の行方が注目されます。

Q)補欠選挙、今回は5つ行われますよね?

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A)もともとは自民が3議席、野党系が2議席で、この構図が変わるかどうかが注目です。今年は衆議院の解散がなければ国政選挙はなく各党とも総力をあげて臨みます。ただその解散、岸田総理大臣が早い時期に踏み切るのではとの憶測も出ていて補選の結果はその判断にも影響を与えそうです。一方で地域の代表であり、国政選挙で各党の原動力になるのは地方議員です。そうした点でも後半戦で行われる市区町村議選の結果などにも注目したいと思います。


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田中 泰臣  解説委員

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