子ども政策の司令塔となる「こども家庭庁」があす4月1日から発足します。
詳しく解説します。
Q①:「こどもまんなか社会」とありますね?
A①:これまで大人が中心となっていた国や社会のかたちを、「子どもの幸せや利益を第一に考える社会に変えていこう」という意味なのです。そうした社会の実現に向けて司令塔の役割を担うのが「こども家庭庁」です。
Q②:これまで子どもに関する政策はそれぞれの省庁が行っていたのですよね。
A②:例えば、児童虐待は「厚生労働省」、子どもの貧困や少子化、児童手当は「内閣府」といった形でした。しかし子どもの問題は省庁間にまたがることも多く、司令塔が不在で、調整に時間がかかることもありました。そこで縦割りをやめ迅速に対応していくことにしたのです。しかし幼稚園や義務教育、いじめや不登校対策などは文部科学省の反対で移管されませんでした。今後は連携を図りながら取り組んでいくということです。
Q③:子どもたちがスマートフォンで何か発信していますね?
A③:こども家庭庁では子どもたちから意見を聴いて政策に反映させる取り組みを始めます。子どもに関する政策について意見を募るほか、提案もできるようになります。オンラインやSNSのほか、テーマによってはこども家庭庁の職員が児童養護施設など、子どもや若者が集まる場所に直接出向き、話を聞くということです。対象は小学校1年生から20代までで、参加したい人はこども家庭庁のホームページから登録ができます。
Q④:子どもの声を聴くという試みは興味深いですが、課題もたくさんありそうですね。
A④:いじめや自殺、児童虐待が過去最多となるなど、子どもをとりまく環境は難題を極め、待ったなしの状況です。
子どもが発するSOSや声なき声を取りこぼさないようにしっかりとニーズを汲み取り、スピード感を持って政策を進めていく。
こども家庭庁が他の省庁とも連携を図りながら真の司令塔となれるのか、手腕が問われています。
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