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介護保険証もマイナカードと一体化へ その理由は?

竹田 忠  解説委員

厚生労働省は介護保険のサービスを利用する際に使う介護保険証について、
マイナンバーカードと一体化させる具体的な検討に入りました。
竹田忠解説委員に聞きます。(たけだ・ただし)

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Q①政府は最近マイナカードの使い道をドンドン広げているようですが?

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そうなんです。政府は、今月末までにほぼ全ての国民に
カードを普及させることを目標に掲げています。
このためカードの使い途の拡大を急いでいるわけです。

たとえば健康保険証との一本化を更に進める法案をすでに国会に提出済みですし、
今年5月にはアンドロイドのスマホに搭載することも可能になります。
また数年後には運転免許証も一体化されますし、
最大2万円のポイントキャンペーンもあった。
こうした結果、カードの申請数はおよそ9500万枚で、
申請済みの人は国民の約75%を超えた。
この広がりを受けて、今度は介護保険証との一体化も進めようというわけです。

Q②介護保険証がマイナカードと一体化すると何がいいんですか?


狙いは二つあって
一つは、医療と介護、それぞれ別々の情報をカードで連携させて
その人に合った、適切な診察ができるための大きな仕組み、
医療と介護の情報基盤(プラットフォーム)を作りたい。

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もう一つは、利用者がオンラインで手続きできるようにしたい。
というのも介護保険は、様々な手続きで本人や代理人が
役所の窓口に直接保険証を持参して内容を書いてもらう必要がある、
カードを使ってオンラインで済めば、双方共に助かる。

Q③でも、高齢の方にとってはオンライン手続きは大変ですよね?


そうなんです。
介護は医療よりも高齢の方の割合が増えてきますのでいろんな事情が出てきます。
たとえば自分でカードをうまく管理できない場合、誰が管理するのか?
それともそういう場合は紙の保険証でいくのか?

そういったいろんな場合に備えるため、
厚生労働省は来月から実態調査を始めますので、
あくまで利用者にとってのメリット、デメリットを
具体的にハッキリさせてほしいと思います。


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竹田 忠  解説委員

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