NHK 解説委員室

これまでの解説記事

WBC開幕 日本 世界一奪還へ

小池 和之  解説委員

野球のWBC、ワールド・ベースボール・クラシックが今週開幕、日本は世界一奪還に向けて9日が初戦です。小池解説委員です。

Q)日本代表は今回、そうそうたるメンバーですよね。

C230307_1.jpg

A)大リーグから大谷翔平選手やダルビッシュ有投手。日本のプロ野球から史上最年少の三冠王、村上宗隆選手や2年続けて先発ピッチャーのタイトルを総なめにしている山本由伸投手、それに去年、完全試合を達成した佐々木朗希投手と、各チームから精鋭が集まり「史上最強」とも言われています。

Q)豪華な選手がそろって、6日の強化試合では大谷選手がすごいホームランを打ったのに、イラストの栗山監督は何か悩んでいますね。

C230307_3.jpg

A)今回は優勝経験のあるアメリカやドミニカ共和国なども大リーグのスター選手が集まっていて手強いんです。栗山監督の頭の中は今、2009年以来の世界一奪還へ向けてどう戦うのかでいっぱいだと思います。中でも、プロ野球にはないWBCならではのルールへの対応は悩みの種です。特に難しいのがピッチャーの球数制限です。9日からの1次ラウンドでは1試合で1人65球までしか投げられません。

Q)どうしてそんな制限があるのですか?

C230307_6.jpg

A)シーズン開幕前のピッチャーを、けがから守るためです。ふつう先発ピッチャーは100球から120球ほどで6回か7回くらいまで投げますが、WBCではそうはいきません。日本のこの4人の先発陣は非常に強力で栗山監督も「日本の強みは投手力」と話していますが、今回は長い回は投げられません。そこで、後を継ぐリリーフ陣をどう起用していくかが鍵となります。さらに、延長戦では「タイブレーク方式」が採用され、いきなりノーアウト二塁から始まります。細かい野球も日本の持ち味ですが、確実にランナーを進めて1点を取りに行くのか、それとも一挙に大量点を狙うのか、状況に応じて決める必要があり、もつれた試合になるほど悩みが増えそうです。栗山監督はわずか2週間の大会の中で戦いながらチームを作り上げて、世界一奪還を目指します。


この委員の記事一覧はこちら

小池 和之  解説委員

こちらもオススメ!