6日審議が始まる旧統一教会の被害者救済に向けた法案の決着の行方について考える。
国会もいよいよ最終盤。与野党とも被害者救済のため速やかな法整備が必要だとしているが、どう決着させるかという点で各党立場が異なる。
政府与党は、法案は「信教の自由」や「財産権」など憲法との整合性を重視しつつ野党側の主張は事前の協議を通じて可能な限り反映させたとしている。このため法案の骨格を変えることは難しいとする一方で、寄付の勧誘を行う法人などが配慮義務を怠り、行政の勧告にも従わなかった場合法人名を公表するなどとした修正案を提案する方向で最終調整していて、10日までの会期内の成立に理解を求めたい考えだ。
これを受けて立憲民主党・日本維新の会が政府与党の修正案で、実効性が高まると評価するかどうかが焦点だ。両党は法案にはマインドコントロール下での高額寄付の規制などで「まだ不十分な点がある」などと主張し、立民は法案修正がなければ協力できないとしてきた。
そうした中で立民と維新は、政府与党から提案が正式にあった場合それを受け入れ賛成へと転じるのか。それとも、さらなる法案修正を引き続き求めるのか。さらにこれまで「犬猿の仲」とみられながらこの問題では歩調を合わせ、政府与党から譲歩を引き出してもきた両党の共闘が最後まで続くかどうか。そうした点も国会での採決のタイミングや会期延長の有無にも大きく影響しそうだ。
今回決着させることで自民・公明は一連の問題に一区切りを、立民・維新は主張を実現することで存在感を示したい思惑もあるとみられる。それだけに双方がどこまで歩み寄れるかどうかは、被害者の評価や世論の動向にも左右されそうだ。法案が被害者の救済と再発防止に役立つものとなるのか、今週の審議と各党の判断に注目だ。
この委員の記事一覧はこちら