海上保安庁は、初めて導入した大型の無人航空機の先月から運用しています。
Q)海を見渡していますが、どのような役割を担っているのですか?
A)この機体、全長12メートルありますが、地上から操縦し、カメラやレーダーで違法な外国船や漁船がいないか監視をしています。連続で24時間以上飛行が可能で、操縦席が必要なく設備をより多く搭載できるため瞬時に映像やデータを地上に送れて、海の事故の際には迅速に遭難者の発見もできるとしています。先月19日から青森県八戸市を拠点に、日本海や太平洋上で活動していて、得た情報は今後、自衛隊とも共有する予定です。
Q)海上保安庁というと沖縄県の尖閣諸島で中国船の領海侵入に対じしているイメージがありますがその周辺では活動しないのですか?
A)尖閣諸島周辺では有人の航空機が常時対応にあたっています。
警戒が必要な海域は他にも多くあり、例えば日本海の能登半島沖の漁場には去年まで3年連続で中国や北朝鮮の漁船が多数押し寄せました。また最南端の沖ノ鳥島周辺では中国の海洋調査船が同意を得ず活動しているのも確認されています。
実は日本が管理する海域は世界6番目の広さがあり、それを効率よくカバーするため無人航空機を導入したのです。
Q)海上保安庁はかなり期待しているのですね。
A)そうですね。ただ違法漁船に対し音声で警告は出せますがそれ以上はできませんし、遭難者の救助を実際にできるわけでもありません。
今年4月の北海道知床半島沖での観光船の沈没事故では現場が、救助チームが駆け付けるのに時間がかかるエリアだったことから人員の配置などが問題視されました。仮に無人航空機がすばやく遭難者を発見しても救助体制が整っていなければ意味をなしません。
無人航空機がその役割を十分に果たすには人員の体制整備が重要と言えそうです。
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