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五輪汚職 広がる捜査は

清永 聡  解説委員

東京オリンピック・パラリンピックをめぐる汚職事件で、東京地検特捜部は、公式マスコットのぬいぐるみを製造・販売していた会社についても、捜査を進めているものとみられます。事件の行方はどうなるのでしょうか。

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Q:「ごりん沼」で特捜部が大きな網を構えています。

A:ただしこの沼、濁っているためまだ底がよく見えません。
今回の事件で特捜部は、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者を受託収賄の疑いで逮捕・起訴し、さらに捜査を進めています。

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Q:これまでにずいぶん、いろんなものが引き上げられていますね。

A:元理事はこれまでに▼紳士服大手▼出版大手そして▼広告会社からいずれも賄賂を受け取ったとして、3回逮捕され、このうち2つの事件で起訴されています。
さらに元理事が、東京大会のマスコットのぬいぐるみを公式ライセンス商品として製造・販売していた会社から、知人のコンサルタント会社を通じて現金を受け取った疑いがあるということで、特捜部は捜査を進めているとみられます。
高橋元理事はこれまで逮捕・起訴された事件について、いずれも不正を否定しているということです。

Q:後ろには戸惑った様子の若いウインタースポーツの選手もいます。

A:札幌市が2030年の冬季大会の招致を目指していますが、招致活動を行っている関係者やパラリンピックを目指す選手の間にも影響に対する懸念があるとみられます。専門家は「IOC=国際オリンピック委員会はこうした不正に厳しい目を向けている。選定に与える影響は大きい」などと指摘しています。

Q:捜査の行方はどうなるのでしょうか。

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A:特捜部は現在捜査の網を「横へ横へ」と広げていきながら、複数のルートを同時並行で調べています。
東京大会では実に1兆4200億円に上る開催経費の半分以上に公費が投じられました。しかし、スポンサーが決まる過程や契約内容は十分に開示されていません。
まずはこの「ごりん沼」がどこまで深いのか。底なしなのかそうではないのか。
元理事周辺の資金の流れをきれいに洗い出し、徹底した実態の解明が望まれます。

(清永 聡 解説委員)


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