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中国共産党大会で習氏の権威一段と強化へ

宮内 篤志  解説委員

今月16日から中国では5年に1度の共産党大会が開かれます。この大会で、党トップとしての異例の続投がかかる習近平国家主席をめぐって新たな動きが出ています。

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Q、イラストは、習主席が何かに書き込もうとしている様子ですか?

A、書き込もうとしているのは、中国共産党の最高規則とされる「党規約」です。
共産党による一党支配の中国では、党規約は「憲法よりも重い」という見方を示す専門家もいます。
その党規約について習主席は、党大会に向けた改正を進めているんです。

Q、どのような改正をしようとしているのですか?

A、みずからの権威を一段と強化するためのスローガンを、新たに書き加えようとしているとみられます。
そのスローガンが「2つの確立」というものです。

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「2つ」が何を指しているかといいますと、ちょっと仰々しい表現なのですが、▼習主席の共産党内での核心的な地位の「確立」と▼習主席の名前がついた思想の指導的な地位の「確立」のことです。
要するに、習主席の最高指導者としての立場がゆるぎないことを確認し、忠誠を求めるという意味が込められています。

Q、なぜそのようなものをわざわざ加えようとしているのですか?

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A、習主席は現在69歳ですが、「68歳で指導部を引退する」というこれまでの慣例を打ち破り、党トップとして3期目に入ることは、ほぼ確実視されています。
ただ、異例の長期政権となることで、習主席への一極集中に歯止めがかからなくなるという反発は、表面化していないものの、党内でくすぶり続けているんです。
習主席としては、こうした異論を封じ込めるためにも権威を明文化し、自分に対して誰も異を唱えることができない状況を作り出したいんだと思います。

Q、誰も逆らえない状況ですか。

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A、そうですね。
専門家などからは、かつて絶大な権力を握った毛沢東と、すでに肩を並べているという見方に加え、その毛沢東が引き起こした文化大革命で中国全土が混乱に陥ったという反省から、共産党内ではタブーとされている「個人崇拝」が生まれるのではないかという懸念すら出ています。
権威の強化に余念がない習主席ですが、1人の指導者が力を持ちすぎることへの懸念もますます強まりそうです。

(宮内 篤志 解説委員)


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