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支持率急落 韓国ユン大統領

出石 直  解説委員

2か月前に就任したばかりの韓国のユン・ソンニョル大統領の支持率が急落しています。その原因と日韓関係への影響について出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。

Q1、ユン大統領については一か月ほど前にもこのコーナーで紹介しましたが、滑り出しは順調だったのではなかったのですか?

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A1、就任して一か月ほどは順調だったのです。ところが、その後、支持率が急降下し、今月に入ってついに40%のラインを割り込みました。支持率40%というのは韓国ではひとつの目安とされています。ちなみに前のムン・ジェイン大統領の支持率が初めて40%を割り込んだのは就任から2年5か月後、不人気だったその前のパク・クネ大統領ですら1年10か月経ってからでした。
今回は就任からわずか2か月、いかに支持離れが急速かお分かりいただけると思います。

Q2、なぜこんなに急に下がってしまったのですか?

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A2、主な理由として「人事」「経験不足」「経済対策」が上げられています。
ずっと検察畑を歩んできた人なので政治家としての経験不足は就任前から予想されていたことです。加えて仲間内で固めた人事や、物価高などへの対応に不満が高まっているのです。
きょう午前中にまた最新の支持率が発表されますので、その数字がどうなっているのか注目です。

Q3、大統領の支持離れは日韓関係にも影響するのでしょうか?

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A3、そこが心配されるところです。今週、パク・チン外相が来日し林外務大臣と会談、岸田総理とも面会しました。最大の懸案である徴用をめぐる問題では、韓国政府が各界から意見聴取を始めています。この問題を早期に解決して日韓関係を改善したいという意志があるのは確かだと思います。問題はそれに世論がついてくるかどうかです。ユン政権の対日政策をめぐっては弱腰だと反対している人達も少なくありません。根強い反対を押し切ってでも事態の収拾を図るという踏み込んだ決断ができるのかどうか。今後の日韓関係を占う意味でも、
ユン大統領の支持率がどうなっていくのかがポイントになりそうです。

(出石 直 解説委員)

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