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囲碁 仲邑菫二段 最年少タイトル獲得なるか

高橋 俊雄  解説委員

中学2年の囲碁棋士、仲邑菫二段が、自身初のタイトル獲得をかけたトーナメントを勝ち進み、15日、準決勝に臨みます。

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Q)中学生棋士が早くもタイトル? 仲邑二段とは

A)
仲邑菫二段(13)は3歳から囲碁を始め、小学5年生だった3年前、2019年4月に史上最年少の10歳0か月でプロ棋士になりました。
去年3月には二段昇段の最年少記録を53年ぶりに更新するなど、その後も順調に活躍を続けています。
仲邑さんは現在、「扇興杯女流最強戦」というトーナメントの大会を勝ち進んでいます。15日の準決勝に勝ったうえで17日の決勝にも勝てば、13歳4か月で初のタイトル獲得を果たします。その場合、現在の最年少記録、15歳9か月を大幅に更新することになります。

Q)タイトル獲得まであと2勝 その可能性は?

A)
まずは準決勝に勝てるかどうかです。

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相手は、去年この大会を制してタイトルを持つ藤沢里菜女流三冠(23)。仲邑さんの10歳年上で、女性棋士の中でトップクラスの実力を誇ります。ことし4月の女流名人戦の三番勝負で、仲邑さんは初のタイトル獲得をかけて藤沢さんに挑みましたが、2連敗しました。日本棋院によりますと、仲邑さんはこの2戦を含めて0勝3敗と、まだ藤沢さんに勝ったことがありません。

一方の藤沢さんは、追われる立場です。藤沢さんがプロ入りしたのは11歳6か月の時で、仲邑さんがプロ入りするまで最年少記録を保持していました。タイトル獲得の現在の最年少記録、15歳9か月も藤沢さんが打ち立てた記録です。
藤沢さんは女流名人戦で勝った際、仲邑さんの今後について「楽しみでもありつつ恐ろしい存在だと感じる」と話し、その実力を高く評価していました。

Q)切磋琢磨がもたらすものは?

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A)
囲碁界では最近、女性棋士の活躍が目立っています。
扇興杯のトーナメントで、もう片方の山を勝ち上がって準決勝に進んでいる上野愛咲美女流二冠(20)は、ことし4月、中国や韓国などの棋士も参加した女流の国際大会で日本勢として初めて優勝しました。
また、国内の若手棋士が男女を問わず参加する「若鯉戦」では、おととし藤沢さんが女性初の優勝を果たしたのに続いて、去年は上野さんが制し、女性棋士が2年連続で優勝しています。
仲邑二段の活躍が女性棋士のレベルアップにつながり、ひいては囲碁界全体が底上げされる。そうした相乗効果を期待したいと思います。

(高橋 俊雄 解説委員)

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