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ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡 初画像公開へ

土屋 敏之  解説委員

◆「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」が本格運用を開始し撮影した画像を今日公開する

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ちょっと擬人化していますが、このジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、不思議な形をしています。黄色い六角形の金属板を組み合わせた反射鏡は、遠い宇宙のかすかな光・赤外線をとらえるためのものですが、鏡全体の直径が6.5mもあることからロケットには折りたたんで載せて宇宙で展開するためこんな形になりました。
また背後に広がっているのは「日よけ」です。観測には太陽や地球の光も妨げになるので、この遮光板をやはり宇宙で展開して背負う形をしています。
アメリカとヨーロッパ、カナダの宇宙機関が開発して去年のクリスマスに打ち上げ、ちょうど今日、まずは遠い宇宙の星雲や銀河など最初の画像が公開されます。

◆宇宙の望遠鏡と言えば「ハッブル望遠鏡」があった

1990年に打ち上げられたハッブル望遠鏡は、大気の影響を受けない宇宙からの観測ならではの成果をあげてきました。美しい画像に加えて、銀河の中心の巨大ブラックホールの存在やこの宇宙全体が加速しながら膨張している証拠など、常識を覆す発見を重ねてきました。
ただ、30年以上経って老朽化が進み、後継機となるこのジェームズ・ウェッブは予算が1兆円以上に膨らみ打ち上げも十年以上遅れてきました。しかし、光を集める力がハッブルの7倍あるなど極めて高性能で世界の科学者から期待を集めています。

◆今後期待される発見は?

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今後期待されるひとつは、「ファーストスター」と言って138億年前に宇宙が誕生してから最初にできた世代の星を見つけることです。また、「系外惑星」と言って太陽以外の恒星を回る惑星を直接観測する能力もあるため、宇宙に私たち以外の生命がいるのか?手がかりを見つける可能性もあります。
近い将来、また私たちの宇宙観が変わる大発見はあるのか、その成果が注目されます。

(土屋 敏之 解説委員)

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