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日韓首脳初対面へ

出石 直  解説委員

29日からスペインのマドリードで開かれるNATO首脳会議には韓国のユン・ソンニョル大統領もパートナーとして出席することになっていて、岸田総理大臣と初めて顔を合わせます。日韓関係改善の糸口になるのか?
出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。

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Q1、きょうのイラストは闘牛ですね。

A1、スペインといえば闘牛、岸田総理大臣とユン・ソンニョル大統領には闘牛士の姿で登場してもらいました。岸田総理は、ユン氏の当選が決まった時に短時間電話で会談していますが、実際に顔を合わせるのは今回が初めてです。両首脳とも冷え切っている日韓関係の改善に意欲を示していますので、今回のスペインでの対面が雪解けのきっかけになるのではと注目されています。

Q2、両国の間には徴用をめぐる問題など難しい課題が山積していますが、解決に向けた糸口は見いだせるのでしょうか?

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A2、簡単ではありません。徴用をめぐる問題では、賠償の支払いを命じられている日本企業の資産を現金化する手続きが進んでいます。現金化されてしまうと、戦後、日本と韓国が国交を正常化させた時に交わした約束、日韓関係の土台が根本から崩れてしまうことになります。この現金化という爆弾がいつ爆発するかわからない中で、じっくり膝を交えて首脳会談を行うのは難しい状況です。その代わりにバイデン大統領も交えた日米韓3か国の首脳会談が予定されています。まずは日米韓3か国の連携を再確認し、アジア太平洋地域が抱えている課題について率直な意見交換を行うところからスタートすることになるでしょう。

Q3、アジア太平洋地域が抱えている課題とは具体的には?

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A3、核・ミサイル開発をエスカレートさせている北朝鮮、この地域で急速に軍備を拡張している中国、そしてウクライナ侵攻を続けているロシアへの対応です。これらの国々による脅威が増している中で、アジア太平洋地域の平和と安定を守っていくためには、日本と韓国は互いに協力していかねばなりません。
今回のスペインでの初対面で首脳どうしの信頼関係を築き、日韓関係の改善へと繋げていってもらいたいと思います。

(出石 直 解説委員)

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