NHK 解説委員室

これまでの解説記事

注目の最低賃金 議論スタート

竹田 忠  解説委員

今年の最低賃金の引上げを巡る議論が今日からスタートします。
竹田忠解説委員です。

C220628_1.jpg

【 今年は最低賃金の引き上げが特に注目を集めています。 】
ウクライナ情勢や円安による物価高が家計を直撃しているためです。
負担を和らげるために最低賃金の引き上げが重要性を増しています。
また、今は参議院選挙の真っただ中で、
多くの政党が最低賃金を大幅アップするよう求めていて、
例年にもまして注目が集まっているわけです。

【 引き上げを巡る議論は、どうやって行われるんですか? 】

C220628_4.jpg

最低賃金は今は平均で時給930円。
でもこれはあくまで平均でして、実際には各都道府県で違います。
一番高いのは東京で、1041円。
最も低いのは高知県と沖縄県で、820円。
この地域差が、221円もある。
この最低賃金を今年どれだけ引き上げるのか?
その基準となる上げ幅(目安と呼ばれます)を決める議論が
きょうから労働側と経営側、それに学者の三者による
国の審議会で始まるわけです。

【 どれくらい上がるのですか? 】

C220628_5.jpg

おととしはコロナの影響でほとんど上がりませんでしたが、
それをのぞけば、最近は大体、毎年3%程度、
額にして20数円ずつ上がり続けています。
政府はできるだけ早く、
最低賃金の平均1000円以上を目指すとしていまして、
このペースで上がっていけば、あと数年で達成される状況です。

C220628_7.jpg

【 今後の見通しは? 】

C220628_6.jpg

かぎを握るのは経営側の対応です。
というのも、物価高は労働側だけでなく、
経営側にも、原材料の値上がりなどで重荷になっている。
また、コロナの影響が長引いている所もある。
なので、賃上げをした企業に政府が助成金を出すなどの支援策が
まずます重要になってきます。

最後に大前提として踏まえておきたいのは、
日本の最低賃金は主要先進国と比べて、低いということ。
OECDの調査によると、G7の中では最低レベルで、ちなみに韓国よりも低い。
働く人がチャンと暮らせる最低賃金を実現してほしいと思います。

C220628_8.jpg

(竹田 忠 解説委員)

関連記事