ロシアのウクライナ侵攻からちょうど4か月たちました。G7・主要7か国の首脳会議が、26日からドイツで開かれ、侵攻を続けるロシアに対して結束の強化をはかります。
Q.一行が向かっているのはお城ですか?
はい。今年のG7サミットは南ドイツのアルプスのふもとにあるエルマウ城が会場です。城と言っても建てられたのは1916年、第1次世界大戦の真っただ中で、古城というより高級リゾートです。実はロシアがクリミア半島を併合した翌年のG7サミットもここで開催され、首脳たちはロシアを非難し紛争の平和的解決を求める声明を出しました。それから一回りした今回のサミット。議長をつとめるドイツのショルツ首相は、「プーチン大統領に勝利させてはならない」と述べています。会議にはウクライナのゼレンスキー大統領もオンラインで参加し、首脳たちはロシアの力による現状変更を断固認めないという立場をアピールすることにしています。
Q.会議ではどんなことが話し合われるのですか?
主要な議題はこちら、喫緊の課題が食料危機への対応です。また、対ロシア制裁の一環としてG7はエネルギーの禁輸措置を強化していますが、アメリカとイギリスなどがロシアからのエネルギーの全面禁輸に踏み切った一方、ロシアへの依存度が高いドイツやイタリア、それに日本は天然ガスの禁輸には慎重で、必ずしも足並みがそろっているわけではありません。
会議にはロシアと軍事的つながりの深いインドのモディ首相も招かれています。各国が結束して強いメッセージを打ち出すことができるか、ショルツ首相の手腕の見せ所です。
Q.でも暗雲が垂れ込めていますね。
ロシアの侵攻後、食料やエネルギーの価格が高騰し、各国の物価高に追い打ちをかけています。イギリスでは消費者物価指数が40年ぶりの高水準、アメリカもガソリン価格が最高値を更新しました。フランスではマクロン大統領率いる与党が先の議会選挙で大敗を喫し、ドイツもショルツ首相の社会民主党が地方選挙で敗北するなど首脳たちは逆風にさらされています。ロシアの侵攻が長期化すれば世界への影響ははかりしれないだけに日本を含むG7首脳は効果的な大差鵜を打ち出せるか試練に立たされています。
(二村 伸 解説委員)
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