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ロシアで経済フォーラム、意外な参加者とは?

石川 一洋  解説委員

ウクライナに軍事侵攻したロシアに対して厳しい経済制裁が続く中、プーチン大統領の肝いりで国際経済フォーラムが今日から始まります。意外な参加者が注目されています。石川解説委員に聞きます。

Qプーチン大統領の肝いりのフォーラムとは?

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Aプーチン大統領が、故郷で毎年開催しているサンクトペテルブルク国際経済フォーラムです。投資先としてのロシアの魅力を、プーチン大統領自ら欧米の大企業にアピールするとともに、首脳同士の政治対話の場としても利用してきました。しかし今年はロシアがウクライナに侵攻したため欧米や日本など経済制裁を科している国はほとんど参加しません。プーチン大統領としては、旧ソビエトの同盟国、中国やインドなどアジアそしてエジプトなど中東、アフリカの国々からたくさんのお客の参加を得てロシアは孤立していないということを示したいところです。

Qその中で意外な参加者とは

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Aタリバンの支配するアフガニスタンが政府の代表を派遣します。ロシアはタリバンを国際テロ組織として国内での活動は禁止していますが、実は政府同士の関係を正常化させつつあります。今年の4月にはタリバンの指名した代表をロシアにおける公式なアフガニスタン政府の代表・つまり外交の代表として認め、事実上外交関係を再開しました。経済フォーラムへのアフガニスタンの参加は、今後ロシアがタリバンとの経済協力にも踏み込む一歩とみられています。

Qなぜロシアはタリバンとの関係を大事にしているのですか

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Aロシアはアフガニスタンと国境を接するタジキスタンと同盟関係にあり、国境を共同で守っています。しかしウクライナでの軍事侵攻が長期化する中、タジキスタン駐留の部隊もウクライナに派遣されたと言われていて、国境の守りは手薄になっています。ウクライナ情勢に手一杯なロシアとしてはタリバンと軍事衝突することを恐れているのです。プーチン大統領としては、事実上の経済支援をすることでタリバンを手懐けて、大人しくしてほしいというのが本音だと思います。

 (石川 一洋 解説委員)

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