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男女の賃金格差 企業に公表義務づけ

竹田 忠  解説委員

政府は、男女の賃金格差を企業ごとに公表するよう義務づける制度を
来月からスタートさせる方針です。
竹田忠解説委員です。

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Q①男女の賃金格差は、どれくらい?

A
平均賃金で比べると、男性は33.7万円、女性は25.3万円。
女性の方が、およそ8万円低い。
(2021年 賃金構造基本統計調査)

OECDのデータでは
日本では女性の賃金が男性より22.5%低くなっていて、
G7の中では差が最も大きい。

Q②なぜ、それほど大きな差が?

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A
よく言われるのが、
女性は、賃金の安い非正規労働の割合が高い。
勤続年数が短い。管理職が少ない。
などなど企業によっていろんな事情がある。
ということは、この問題にチャンと取り組むためには
まず企業に、どれだけ賃金格差があるのか、公表してもらう必要がある。
つまり“見える化”です。

Q③公表してもらうには、どうすれば?

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「女性活躍推進法」という法律があります。
女性の勤続年数とか、管理職に占める割合とか、
いろんな指標の中から、企業が自分で選んで公表することになっている。
この法律に、男女の賃金格差を必ず公表する項目として新たに盛り込もうと。
対象となるのは、従業員301人以上の会社で、
全国では、およそ1万8000社にのぼります。
来月、制度を変更し、多くの企業がとっている3月期決算の場合は
来年4月以降、公表が必要になる。

Q④企業は対応を急がないと・・・

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ヨーロッパでは、
賃金格差の公表を義務づけている国がいくつもあって、
日本もそうすべき、という声は以前からあった。
しかし経済界が強く反対してきた。
今回は政府が力をいれる「人への投資」の一環として
実現することになった。

賃金格差というのは、男女格差の根本的な問題。
ようやく、格差是正に向けた重要なスタートラインに立つことになった、
ということだと思います。

(竹田 忠 解説委員)

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