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沖縄本土復帰50年 式典を政府と沖縄県が共催

田中 泰臣  解説委員

5月15日で、沖縄が本土に復帰して50年となり記念式典が開かれます。

Q)岸田総理大臣と沖縄県の玉城知事が、手を取り合っていますね。

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A)記念式典は政府と沖縄県が共同で開催し、東京と沖縄で同時に開かれます。天皇皇后両陛下がオンラインで出席されるほか、岸田総理大臣と玉城知事は沖縄会場からメッセージを発信する予定です。2会場の同時開催は、復帰の年以来で、この節目を大切にしたいというのは政府も沖縄県も同じだと言えます。

Q)一方で、政府と沖縄県は普天間基地の移設問題で対立していますよね?

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A)そうですね。その基地問題をめぐる両者の関係。実は、50年前の復帰当時も似た状況でした。当時の屋良知事は記念式典で「復帰内容は必ずしも私どもの切なる願望がいれられたとは言えない」と述べました。「基地のない平和の島」という沖縄の要望とはかけ離れ、多くのアメリカ軍基地が残ることについて述べたもので、政府主導の復帰を手放しで喜ぶ状況ではなかったのです。

Q)今後、両者の対立が解消に向かう可能性は?

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A)政府は、普天間基地の名護市への移設は危険性の除去と、規模・機能が縮小されるため負担軽減の一環だとしています。一方の沖縄県は、すでに重い負担を抱える中、県民への新たな負担を強いるものとしていて、立場の違いはあまりに大きく解消への糸口は見出せません。
また政府内では、中国の台頭によって沖縄の基地の重要性は増しているとの見方も強まっています。
50年前、「厳しさは続き新しい困難に直面するかもしれない」とも述べた屋良知事。今の状況を予見していたようにも思えます。5月15日は大きな節目ですが、6月23日には、沖縄戦から77年の「慰霊の日」を迎えます。こうした機会に沖縄の歴史を知り、また抱え続ける負担について改めて考えるべきではないでしょうか。

(田中 泰臣 解説委員)


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田中 泰臣  解説委員

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