ことしも日本選手が活躍する大リーグ。今シーズンは、かつて人気映画の舞台にもなったチームが新たな名前で臨んでいます。小澤正修解説委員です。
Q1
映写機から懐かしの名作のフィルムが出てきました。
A1
新たなチーム名になったのがガーディアンズ、去年までのインディアンズです。80年代に映画「メジャーリーグ」の舞台にもなり、映画の続編にはタレントの石橋貴明さんも「東京ジャイアンツからの外国選手」という役で出演しました。公開は野茂英雄投手もイチロー選手も大リーグに移籍する前だったのですが、一連のシリーズは日本でも大変人気を集めたのです。ですので、今でも大リーグと言えばインディアンズ、という印象がある人もいるかもしれません。
Q2
その人気チームがなぜ名前を変えたの?
A2
100年以上に使われてきたインディアンズというチーム名は「初めての先住民出身の選手をたたえてつけられた」とされていますが、一方で実は数十年に渡って、先住民差別を助長していると批判もされてきたのです。それが「ブラック・ライブズ・マター」運動など、人種差別の撲滅を訴える動きがスポーツ界にも広がったことを受けて、球団はまず、先住民の顔をあしらったロゴマークの使用をとりやめ、さらにはチーム名も変更して、ことしからは、地元で「交通の守護者たち」として知られる彫像にちなみ、ガーディアンズとなったわけなのです。
Q3
ほかの競技ではどうなのでしょう?
A3
いわゆる四大スポーツではアメリカンフットボールのレッドスキンズもチーム名が先住民の肌の色を差別的に表現していると批判され、チーム名はワシントン・フットボールチームを経て、司令官を意味する、コマンダーズに変更されることになりました。アメリカではプロだけではなく学生スポーツでも、その勇敢さにあやかりたいと、多くのチームが先住民にちなんだ名前を付けていますが、それが「先住民は好戦的だ」との印象を与えているという批判も根強くあります。知名度の高いチーム名変更の影響がどこまで広がるか、注目です。
(小澤 正修 解説委員)
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