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旧優生保護法 弁護団が一斉相談 なぜ今?課題は?

山形 晶  解説委員

かつて、旧優生保護法のもとで、障害のある人たちなどが強制的に不妊手術を受けさせられた問題で、弁護士による一斉相談が行われます。
今、なぜ、こうした取り組みが行われるのでしょうか。

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戦後まもなくできた旧優生保護法のもとでは、「不良な子孫の出生を防止する」という、考えられないような理由で、障害のある人たちなどが強制的に不妊手術を受けさせられていました。
自分の子をもうける機会を一律に奪われるという重大な人権侵害です。
手術は主に1970年代ごろにかけて行われ、同意があった場合も含めて2万5000人もの人が受けたとみられます。
4年前に当事者が裁判を起こしたことをきっかけに、国が一時金を支払う救済制度ができましたが、その認定を受けたのは990件にとどまっています。
多くの被害者が、どこにいるのかわからない、という状況です。

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どうして被害が埋もれているのでしょうか?
そもそも、手術の記録が残っているケースが少ないという事情があります。
手術を受けさせられたことを知られたくないというケースもあります。
このため、記録が残っていても、単純に郵送で通知すればいい、というわけではありません。
本人がどんな手術を受けたのか知らされていないケースもあるとみられます。

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一方で、救済制度には期限があります。再来年の4月までです。
ただ待っているというわけにはいきません。
そこで裁判の弁護団などは、きょう(20日)、全国一斉に電話やFAXで相談を受け付けて、何らかの心当たりのある人たちに相談を呼びかけることにしています。
各地の番号は弁護団のホームページに出ています。
こちらの東京の番号でほかの地域の相談も受けられるそうです。
(電話:03-5501-2151 FAX:03-5501-2150 ※20日午後5時まで)
このほか、厚生労働省や各都道府県には常設の窓口もあります。
最終的に、一時金を請求するかどうか、裁判を起こすかどうかは、もちろん本人の判断しだいですが、まずは、何ができるのかを知ってもらうのが大切です。
国も重大な人権侵害を進めていたわけですから、積極的に対応してもらいたいと思います。

(山形 晶 解説委員)

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