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朝鮮半島緊張高まるか 米韓合同演習

池畑 修平  解説委員

韓国で、アメリカと韓国の合同軍事演習が4月18日から始まります。
朝鮮半島の緊張が高まることになるのでしょうか。

Q1)
キム・ジョンウン(金正恩)総書記と妹のキム・ヨジョン(金与正)氏が韓国側を偵察していますね。

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A1)
はい、北朝鮮はこれまでも米韓の合同軍事演習は自分たちに対する侵略の予行演習だとみなして激しく反発してきました。
今回、米韓は野外での機動訓練は行わないと発表したわけですが、それでも北朝鮮側の姿勢は変わらず、同時に訓練内容の分析に力を入れるでしょう。
また、先週には、米韓の演習とは別に、アメリカ海軍の原子力空母が日本海で海上自衛隊と共同訓練を行いました。
アメリカの空母が日本海に入ったのは、米朝間で緊張が非常に高まった2017年以来のことです。
これも、キム総書記らにとって面白いはずがありません。

Q2)
やはり北朝鮮の軍事挑発が懸念されますね。

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A2)
気になるのは、「核戦闘武力」という言葉です。
今月、ヨジョン氏が談話の中で初めて用いたので、北朝鮮が「新型戦術誘導兵器」を発射したという17日の発表の中でも登場しました。
どうやら、戦場で用いるための小型の戦術核のことを指しているようです。
おりしも、ウクライナへの侵攻を続けるロシアが戦術核を使用する恐れが指摘されていることに便乗したようにも思えます。

Q3)
核への執着を強めているということですか?

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A3)
そうですね。
キム総書記やヨジョン氏らが核に一層こだわりながらいま本当に見ているのは、韓国で来月就任するユン・ソギョル(尹錫悦)次期大統領でしょう。
ユン氏は、ムン・ジェイン(文在寅)政権が北朝鮮との関係改善を狙って米韓合同軍事演習を縮小したことを批判しています。
そして、自分はそれを「正常化」させる、つまり、ムン政権以前のころと同じような規模・回数に戻す考えを示しています。
こうしたユン氏の圧力重視の姿勢は、日米韓3か国の連携強化につながりますが、一方で、北朝鮮のいっそう激しい反発を招く懸念もぬぐえません。
それだけに、3か国は、圧力と対話のバランスも重視する必要がありそうです。

(池畑 修平 解説委員)

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