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大リーグ開幕 "大谷ルール"で打席増?二刀流・大谷のタイトル獲得は

小澤 正修  解説委員

日本時間の8日、大リーグが開幕しました。エンジェルスの二刀流、大谷翔平選手は、いわゆる「大谷ルール」の導入も受けて、さらなる活躍が期待されています。小澤正修解説委員です。

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Q1
イラストはホームラン王への階段。
A1
去年MVP受賞の大活躍をみせた二刀流の大谷選手、初めて開幕投手を務めます。去年日本選手初のホームラン王にはわずか2本差で届きませんでしたので、今シーズンは個人タイトル争いがどうなるのかも楽しみですよね。このうちホームラン王争いで言いますと、「大谷ルール」とも呼ばれる新たな制度が、後押しとなるかもしれません。

Q2
どんなルールなのですか?

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A2
先発投手が打順に入る場合は、マウンドを降りても、バッティング専門のDH・指名打者として試合に出場し続けることができることになったのです。簡単に言うと、先発投手とDHを同時にひとりで兼任できるというルールです。DHは本来、先発投手を打席に立たせる場合、その試合で使うことはできませんでした。これまでは例えば「1番ピッチャー」の大谷選手がマウンドを降りた時は、交代するか、負担はあっても外野手としてプレーするかだったのですが、ことしは指名打者として出場し続けることができます。ただこのルールが実際に適用されるのは、大リーグの中で大谷選手だけではないかとみられていて、それゆえ「大谷ルール」とも呼ばれているのです。

Q3
そのくらい、二刀流をたくさん見たいという強烈なインパクトが去年の活躍にはあった。
A3
ルール変更の背景には、長引いた労使交渉によるファン離れを食い止めたい経営側の狙いがあるとも言われています。やや強引な変更にもみえますが、それでもルールそのものを変えてしまった大谷選手の影響力が端的にあらわれていると思います。加えてDHは大谷選手のエンジェルスが所属するアメリカンリーグだけでなく、ナショナルリーグでも新たに採用されます。

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つまり、二刀流がゆえに少なかった大谷選手の打席数はことし、単純計算では数十打席程度増えるとみられ、ホームランの数も増える可能性もあるのです。大谷選手がことしどんな活躍をみせてくれるのか、まずは開幕戦に注目したいと思います。

(小澤 正修 解説委員)


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