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18歳成人 消費者被害に監視の強化を!

今井 純子  解説委員

4月1日から成人年齢が引き下げられ、新たに成人になる18歳、19歳の消費者被害が増えるのではないかと懸念されています。

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Q)悪質事業者が、18歳、19歳を狙っています。
A)成人になると、親の同意なしに契約できるようになる一方、未成年だという理由だけで契約を取り消すことができる「未成年者取消権」がなくなります。そこを、悪質事業者が狙っています。特に多いのは、エステなど美容関連。それに、儲け話をもちかけてくるマルチ商法のトラブルです。相談の件数をみると、今は、20歳になったとたんに2倍近くに。一件当たりの被害額も、ローンも組めるようになるため、およそ2倍に増えています。それが、これからは、新たに成人になる18歳、19歳の被害が増えることが心配されています。

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Q)18歳、19歳というと、学年では高校3年生や大学1年生に当たります。心配ですね。
A)成人年齢の引き下げが決まった際、国会は、知識や経験に乏しい若い人たちを守る、新たな取消権をつくることなどを、政府に求めましたが、結果的には、
▼ 法律上は、事業者に対し「若い人を勧誘する際は、明確に説明する」という努力義務が盛り込まれた程度。あとは、
▼ 例えば、消費者金融の業界団体が、「20歳未満に貸す場合は、少ない金額でも、収入の状況を書類で確認するよう」ルール化するなど、各業界の自主規制に任された形になっています。消費者教育も強化されることにはなっていますが、あの手この手を使ってくる悪質事業者の被害を防げるかは心配です。

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Q)どんな対策が考えられますか?
A)日弁連などは、例えば、18歳、19歳に対して、
▼ マルチ商法の勧誘を禁止した上、契約を取り消せるようにする、といった法整備。
それから
▼ 貸し付けやクレジットの利用上限額を、一律で、低く設定するなど、政府の指導のもと、業界団体の自主規制を一段と強化することを求めています。

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政府は監視を強化して、被害が増える兆しがあれば、すぐにでも対策の強化に乗り出せるよう取り組んでほしいと思います。

(今井 純子 解説委員)

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