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東日本大震災11年 復興道路への期待と課題

二宮 徹  解説委員

東日本大震災からあすで11年です。被災地を南北に結ぶ三陸沿岸道路が、去年、ようやく全線で開通しました。この「復興道路」への期待と課題について、二宮解説委員が解説します。

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復興道路は去年12月、仙台市から青森県八戸市までの359キロが全線で開通しました。およそ8時間半かかっていた所要時間が、5時間あまりと大幅に短縮されました。
被災地は、今も水産関連を中心に地域経済の回復が遅れ、街には空き地が目立っています。さらに、このコロナ禍で観光業も苦しんでいます。
そこで、復興道路の全線開通によって、三陸特産の水産物を新鮮なまま運ぶ物流や、観光の活性化が期待されています。この復興道路をどう生かすかが、今後の復興のかぎと言えます。

この復興道路は、ほかの高速道路とは違う2つの特徴があります。一つは、ほとんどの区間で通行料が無料であることです。輸送コストが下がり、観光客の集客にも役立ちます。そして、もう一つ。飲食を提供するサービスエリアがないのです。
サービスエリアがない理由は、完成を急いだこともありますが、食事や休憩で一般道に下りて、地元の道の駅や商店に来てもらおうというねらいがあるのです。

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高速道路には途中のまちが素通りされてしまう短所がありますが、この復興道路はインターチェンジの間隔が平均5キロ足らずと東北道の半分程度で、料金所もないので気軽に出入りできます。
ただ、わざわざ下りてきてもらうには、その甲斐がある食事や商品、駐車場が欠かせません。それに、名所や伝承施設など、自分の地域の魅力をもっとアピールする必要もあります。
アイデアを集めて、復興道路からどんどん人を呼び込んでほしいと思います。

(二宮 徹 解説委員)

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