ロシアのウクライナ侵攻をめぐる国連総会の緊急特別会合がニューヨークの国連本部で始まり、グテーレス事務総長は、「ウクライナの戦闘を今すぐ止めなければならない」と訴えました。一方、ベラルーシで行われたロシアとウクライナの代表団による初めての会談は、双方の主張の隔たりが大きく停戦が実現するか楽観できない情勢です。
ウクライナではロシアの侵攻後多数の住民が家を追われ、人道危機が懸念されています。
Q1.ロシアの攻撃が続き、逃げる人が増えていますね、
国連のフィリッポ・グランディ難民高等弁務官は28日までに50万人以上が周辺の国々に逃れていることを明らかにするとともに、1日に難民と周辺の国々への支援を各国に呼びかけることにしています。EUはロシア軍の侵攻が続けば、700万人が住む家を追われ、難民が400万人に達する可能性があると警戒を強めています。
Q2.多数の住宅が破壊され、住民たちは危険な状態に置かれているようですね。
首都キエフでは冷戦時代に西側の攻撃に備えた核シェルターが4000以上作られましたが、今は住民たちがロシアの攻撃に備えて空襲警報が鳴るたびに地下鉄や住宅の地下室などに逃げ込んでいます。厳しい寒さの中、燃料や食料、医薬品が不足し、国連は水や保健、医療、教育への支援と子どもたちの心のケアが必要だとしています。
Q3.国外に逃れた人たちは無事保護されているのでしょうか?
ポーランドでは軍の兵士が国境を越えてきた人たちに食事の提供や病気、けがの手当などを行っています。ポーランド政府は100万人の難民流入を想定して宿泊施設の確保を進め、ルーマニア政府も50万人を受け入れる用意があると表明しています。EUは27日に緊急の内相会議を開き、難民の受け入れ態勢を強化することを確認し、各国が逃げてきた人たちに最大3年間の滞在許可を与える方向で準備を進めています。ただ、ヨーロッパでは2015年にシリアなどから百数十万人が押し寄せ、反難民を掲げる極右勢力の台頭を招いた苦い経験があります。難民がさらに増えた際に各国が分担して受け入れを続けることができるか、ヨーロッパの結束が試されることになりそうです。
Q4.日本も支援に乗り出していますね。
政府は緊急人道支援として新たに1億ドルの拠出を決めました。対ロシア制裁と同時
にウクライナの市民を守るために国際社会が1つになることが、ロシアへの圧力につ
ながります。日本を含め各国がウクライナに連帯を示すとともに人道危機回避のため
に連携して取り組むことが求められます。
(二村 伸 解説委員)
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