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緊迫ウクライナ 米ロ交渉の行方

髙橋 祐介  解説委員

緊迫するウクライナ情勢をめぐり、アメリカとロシアの外交交渉はどうなるでしょうか?髙橋解説委員とお伝えします。

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Q1)
けさのイラストは、米ロ双方がウクライナを挟んでにらみ合い?
A1)
ご注目頂きたいのは、こちら(地図)。ウクライナ東部ドンバス地方の親ロシア派が実効支配する地域を一方的に“独立国家”として承認したプーチン大統領。ロシア側は、「平和維持」を名目に、ロシア軍の部隊を派遣する構えを見せています。
これに対してアメリカ側は、「ウクライナに対する主権の侵害であり、明白な国際法違反だ」として、24日に予定していた米ロ外相会談をキャンセルし、そこで調整するはずだった米ロ首脳会談の開催も見送りました。

Q2)
外交交渉は打ち切られる?
A2)
バイデン大統領は、「アメリカと同盟国は、ロシアが真剣であるなら、外交的な解決の道を閉ざしていない」と述べています。その一方で、ロシアに対する経済制裁の第1弾として、欧米の金融市場で、ロシア政府が新たに発行する国債を取り引きできなくする規制などを導入し、今後のロシアの出方次第で、制裁の対象を広げていく可能性があると警告しています。このため、米ロ交渉が存続するかどうかは、当面ロシア側が兵力をどう展開するかにかかってくるでしょう。

Q3)
緊張緩和への糸口は見つかりそう?
A3)
バイデン政権は、緊張緩和に向けて「まずロシア軍がウクライナとの国境付近から離れることが必要だ」としています。これまでの交渉で、ロシア側は、当初から一貫して、NATO=北大西洋条約機構が拡大しないことを法的な文書で保証するよう求めてきました。これに対して、アメリカとNATOは、ロシアに他国のNATO加盟を阻止する権利はないとして、ロシア側の要求を拒んでいます。
ただ、ウクライナが将来めざしているNATO加盟の意向にどう応えるか?加盟国の中には、ロシアとの紛争を抱えているウクライナの加盟をただちに認めることには、難色を示す意見もあります。
このため、アメリカとNATOは、ロシアのウクライナへの軍事侵攻をくい止められるのか?同盟としての結束を試されています。

(髙橋祐介 解説委員)


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