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韓国コロナ拡大 なぜ規制緩和?

出石 直  解説委員

オミクロン株による感染が急拡大している韓国は、先週から飲食店などの営業時間を延長する規制緩和に踏み切りました。出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。

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Q1、ムン・ジェイン大統領、かなり悩んでいる様子ですね。

A1、感染拡大の防止と社会経済活動の維持。この2つをどうやって両立させるのか、難しい判断を迫られているのです。
韓国の感染状況です。1日当たりの新規感染者数は、この一週間でほぼ2倍に増え、先週ついに10万人を突破しました。韓国の人口は日本の半分以下ですから、これはかなり深刻です。今月初めの旧正月の連休で大規模な人の移動があったことが原因とみられています。

Q2、それにも関わらず規制の緩和に踏み切ったのですね。

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A2、飲食店などから規制の緩和を求める強い声が上がっているからです。支援金などの救済措置は取られていますが、規制が長引く中でとりわけ中小零細業者は厳しい経営状況に追い込まれ不満を募らせています。韓国では来月9日に大統領選挙が行われます。選挙戦が本格化しているこの時期に政府批判が高まるのは避けたいという配慮もあったのではないでしょうか。
これまで午後9時までに制限されていた飲食店などの営業時間は、先週の土曜日から一時間延長されて午後10時まで認められることになりました。ただ当初検討されていた私的な集まりの人数制限などはそのまま継続され、規制の緩和は最小限に留めたとしています。

Q3、感染が急拡大しているのに規制を緩和して大丈夫なのでしょうか?

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A3、韓国政府は▽無症状や軽症者が多く医療提供体制にまだ余力があること、
▽およそ6割の人がすでに3回目のワクチン接種を済ませていること、などを理由にあげています。ただ韓国では去年の11月にもウィズコロナを掲げて規制を一部緩和し、その後感染が急拡大した苦い経験があります。
今回も医療関係者などからは規制緩和は早すぎるのではないかという声も上がっています。感染拡大の防止と社会経済活動をどうやって両立させていくのか。
どの国にとっても難しい問題のようです。

(出石 直 解説委員)


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