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大規模太陽光 環境アセスで初の待った!

水野 倫之  解説委員

大規模太陽光発電の計画に対して、環境アセスに基づく初の抜本見直しがつきつけられた。
何が起きているのか、水野倫之解説委員の解説。

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イラストの関所で「待った!」をかけているのは山口環境大臣。
A:事業が環境に与える影響を調べる国の環境アセス、つまり関所がなかった太陽光だが、
おととしから3万kW以上が対象となり、環境省が複数の計画を評価。
そして、埼玉県小川町の86haの山林におよそ4万kWの大規模太陽光を設置する計画に対し、
先週初めて抜本見直しの意見をつけ、待った!をかけた。

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盛り土が計画され、
35万立法メートルの大量の土砂が搬入される点を環境省は問題視。発電に必要か説明が十分でなく、
去年熱海市の土石流で盛り土が被害を広げた点も念頭に
斜面崩壊など「土地の安定性への影響が懸念される」としている。
事業者は取材に応じていないが、
今後許可権限を持つ経済産業省が、意見を踏まえ改善を勧告するとみられる。
ただ、これに限らず太陽光は、たびたび問題となってきた。

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大規模な適地が減り、森林が伐採されるようになって反対が相次いだ。
台風で斜面が崩れたこともあり、
太陽光を規制する自治体の条例は134件まで増え、導入量も伸び悩んでいる。
ただ脱炭素に向けて、政府は再エネを最大限に導入して主力電源にする方針で、
中でも設置が容易な太陽光が主力中の主力にならなければならない。

Q:今後どうすればいい?

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A:まずは再エネといえど地域と共生できなければ成立しないことを、
関係者は再認識しなければ。
その点注目されるのは、自治体所有の環境保全された場所などを
自治体が再エネ促進区域に指定し計画を誘導する制度。4月から始まり、
最初から自治体が関わることで地域の理解が進むことが期待される。
ただ再エネを手がけたことがない自治体も多くあるわけで、
政府が自治体任せにせず、場所の選定などでしっかり支援し、
実効性ある制度にしていかなければならない。

(水野 倫之 解説委員)

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